ジョージ・エルスの日記...ジョージ・エルス

 

 

オン・ザ・ウェイ - 2002年08月02日(金)

この国マレーシアの居住者の60%を占めるのが
先住民であるオラン・マーラユ(現地語でマレー
人)だ。

外見はほとんどの人が茶色い肌で髪は黒。目が大き
く二重まぶた。顔つきは沖縄の人に近い。

小柄な人が多く男性で170cmもあれば大柄な
方だ。成人男性は鼻の下の髭をはやすことが多い。
少し肥満気味な方が貫禄があって望ましい。

女性も小柄で、160cmで背の高い人。
イスラム教徒なのでトドンと呼ばれるスカーフで
髪を隠している成人女性も多い。

気質はおおらか。楽観的。のんびり。目をあわせ
て話す人が少なく、シャイな人が多い。外国人に
対しては優しい。

常夏で年中暑いせいか皆一様に急がない。待ち合
わせの時間に平気で遅れてくる。30分遅れなら
ついてる方で1時間遅れなど常識の範囲だ。


そして、そんな彼らからよくきかれる表現、それが
”オン・ザ・ウェイ”だ。

彼らは、「(その行為を)行ってる途中です」と
いう意味でこの表現を使用する。


例えば顧客とオフィスから少し離れたカフェで待ち
合わせをしたとしよう。

待ち合わせ時間には絶対に現れない。携帯電話で連絡
をとる。

もしも、カフェのあるビルの駐車場にすでにたどり着き
車から降りたところで電話を受ければ 彼はすかさず、
”オン・ザ・ウェイ”と返答する。

この”オン・ザ・ウェイ”は良い”オン・ザ・ウェイ”。

しかし、先方が「しまった、今日の待ち合わせを忘れて
た!」とオフィスで外出の準備を始めたところだった
としても返す言葉は ”オン・ザ・ウェイ”。

ようやく仕事を片付けて、オフィスから出てエレベー
ターを降り駐車場に向かってるところだとしても返事
は ”オン・ザ・ウェイ”。

目的地に向かって車を運転中、しかも前は大渋滞だと
しても 答えは ”オン・ザ・ウェイ”。

どんな状況であろうとその人に 目的地に向かうという
意識さえあればこの言葉で片付くのだから遅れた方に
とっては便利な表現だ。

しかしそれを言われた方はたまらない。何度も会って
よく知ってる客なら どの状況での”オン・ザ・ウェイ”
か 尋ねることができるが 初対面ならそうもいかない。

日本に居たときなら気分を害してたはずだ。

しかし今は、とりあえずこっちに向かってるんだ、と
安心できる。”オン・ザ・ウェイ”と言われても、
平気で時間をつぶせるようになってる。


その国に自分をあわせていけばいい。


こうして 僕も ゆっくりと 現地に溶け込んでいくのだろう。









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