rioshimanの日記
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2006年01月25日(水) 黒という色

日本で買物をする時、男性用は特に黒のものが多いようだ。身につけるものスーツ、靴下等は勿論だが、鞄、万年筆などもそうだ。だが外国ではそうではない。どうしてだろう。日本人の髪の毛が黒いので黒い持ち物が良く似合うという説もある。それも一理ありそうだが他のアジアは黒髪だがそうでもなさそう。

一昨年ギリシアのパトモス島でのこと。有名な聖ヨハネ修道院のあるホラ地区の山頂から港側のホテルに通じる道をトコトコ下っていると対面から女性が一人登って来た。生活食料品だろうか、両手に大きな包みを抱えている。そして一匹のかわいい小型犬を連れて。

お互いに近づくとその犬が私を見て猛烈に吠え始めた。私は今までに犬に吠えられる経験をした覚えはそれ程多くはない。すれ違ってからもその犬は私の方を振り向いて恐ろしいものを見るようにウンウン唸っている。

飼い主の女性は私に向かい誠に申し訳ないという風にこう語った。

「この犬は黒い物に対してとてもよく吠えるんですよ」

なるほど、私が背負っているバックパックは黒、手に下げている絵の道具の入った大きなバッグも黒で、そう言われれば自然の中では解け合わないハッキリとしたここでは場違いな都会の色なのだ。それを何の気にもせずに持ち込んで来て・・・。

それから私は周りにある色には意識をもって観察するようになった。

こちらギリシアでは黒という色は滅多に見かけない。(ヨーロッパ全体でもそのようなことが言えるようだ)ただ一つ例外で印象的なのは聖職者が身につけている衣だ。この黒はとても目立つ。それに顎髭をたくわえ帽子をかぶっていればすぐに神に仕えている人だと分る。それから地方に行くと黒をつけた未亡人をちらほら。こちらの黒には特別な意味があるようだ。

その目で日本を眺めてみれば都会のサラリーマンの殆どは黒に近いダークスーツを身に付けているし、持っているカバンの大半は黒だ。他には茶色とグレーぐらい。どうしてだろう?

おそらく日本的な精神の構造と経済至上主義の考えに関係しているのではないかと考える。

(この続きは後で筆記します)

1月30日から急遽入院生活になった関係で筆記はもっと後になりそうです。


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