「くもはち」(大塚英志著,角川書店)
内容:妖怪作家くもはちとその専属絵師でのっぺらぼうのむじなが活躍する話。連作短編小説。
キャンペーン応募の為、何かないかなと探し、ストーリィが面白そうだったので、大塚英志ということが引っかかったけど購入。
質の悪いガイナックス。 もしくは、民俗学のあかほりさとる。 何がって大塚英志がですが。
既存の物語や手法からちょこちょこと良いとこ取りして話を書いている感じ。 やおい萌え要素はあると思うのに、書き方や題材が同人チックで面白そうなのに、何でこんなにつまんないんだろう。不思議。
くもはちの過去とか正体とか、全然知りたいと思わないし、小出しにされても「次はっ?!」でなく「だから何?」と。 むじなも何でのっぺらぼう…は、くもはちが一応説明しているから良いとして、のっぺらぼうである必要性が何処にあるのか。少なくとも今のところ感じられない。「都合の良いワトソン」をのっぺらぼうということで描こうとするならあまりに弱い。のっぺらぼうということが特性にならないほど地味だ。それが狙いなのかもしれないが。
オタクだからか、くもはち×むじなの描写が男性作家にしてはあざとい気がします。他の男性作家に比べれば、ですが。
語り部のむじなが、「私の筆力がないから面白く感じないかもしれないが」的な事を断って話を挿入するのは卑怯というか、面白くない話の予防線を張っているようで、姑息さを感じて気に入らない。 で、その話がまた本気で面白くないんだわ。文が不味いというか。 もしかして、大塚さん、ここだけ他のシロートさんに書かせた?その言い訳?とか勘ぐってしまいます。
雰囲気が京極の巷説や妖怪シリーズと似ているから、つい比べてしまい、とにかく各所で「弱さ」が目立つ。 キャラ立ってないし、ストーリィは捻りがないし、伏線も美しくない。
柳田圀男や花袋やドイルや…各々に思い入れがある人は面白いかもしれな…や、思い入れがある人は怒るな、これ。
ただ、入門編としては良いかもしれない。 こういう、なんちゃって民俗学というか? 私は続編は読みたいとは思わないけど、大して時間は取らないし頭も使わないので、通勤電車の中で読むくらいには良いんでないでしょーかー?
大塚作品とは合わないと思っていましたが、本当に合わないでやんの。 …っかしーなー、「木島日記」の時はそれなりに楽しめたんだけどな。まおさん絵のすり込みが有ったからかな?
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