| 2003年03月28日(金) |
「アースシーの風:ゲド戦記 5」 |
「アースシーの風:ゲド戦記 5」(アーシュラ・K・ル=グウィン著;清水真砂子,岩波書店)
内容:人々が仮の名と真の名を持ち、魔法が自然に在る世界アースシー。竜は太古の言葉を操り空を駆ける。純然たるファンタジー。4巻までで広げた風呂敷を畳みつつ、そこから新たな萌芽を見る、アースシー新生の話。
「ゲド戦記」とタイトル付けたのは訳者の失敗でしたねー。まあ、3巻までしか出ていなかった当時では仕方がないか。 「アースシーの物語」です。「ゲド戦記」にしてはゲドは既に舞台を退き過ぎています。 以前、4巻までを一気に読んだ時は、1巻毎に歳月がかなり飛んでいるのが惜しく、また、だから全体としてどたばたした感じを受けました。時間を置いて読んだら良かったんだろうなとその時思い、今回、時間を置いてこれを読んで「一気に読まなくて良かったな」と思いました。ゲドの加齢が割とすんなり受け入れられて、ゲドや他の人物に対する下手な思い入れが無くなっている分、ストーリィ自体の面白さを読む事が出来た気がします。 1巻読む毎に最低1ヶ月くらいは間を開けて読んだ方が良いカモ。
しかし書店の扱いには腹が立ちます。 まあ、まず先に岩波の特殊性があるのですが。あそこは買い切りなんで余分な本を入れられないし、ゲド戦記自体ファンタジーの名作とは言え前の巻から年月が開いている。だから入れにくいのは分かるんですがね。けど!今まで見た書店で置いている所が無いのはどーーゆーーことよ!?「ゲド戦記」っちゃ、「指輪物語」…は、一目置くとして、その次くらいに、「ナルニア」と並び称される名作よ!?それでなくとも今、某ファンタジーメッキの大衆小説のブームのおかげでファンタジーに光が当たっている時なのに、あーんな本やこーんな本を平積みにするスペースが有るならゲド特集やれよ!!全巻陳列しろー!! 「良い本が売れない」のは無料貸本屋の所為じゃ、絶対ないぞ!本屋がちゃんと売ろうとしないから本が売れないんだ。確実に簡単に売れる本ばかりばかすか集めて、ただ並べているだけで売ろうと言う根性が気にいらん!…いや、良いけど、それで売れずに「本が売れないのは漫画喫茶や図書館の所為」と言うのがムカツキます。 図書館には収集に対して思想が在ってはいけないと思う。精々「利用者が望む本は全て提供する」と言う基本を心に留めておくくらいで。でも本屋には「こういう本を置きたい」「こういう本を買ってもらいたい」「こういう考え方を持ってもらいたい」と考えながら、その思想を反映した品揃えをして良いのではないか。…ん?その思想が在ってゲドを入れず、某ファンタジーメッキの大衆小説は平積みすると言いますか?だとしたら日本の読書力を弱めるのはあんたらの仕業です。 「買い切り商品だから入れられない」と言う言い訳なら聞きませんよ。某ファンタジーメッキ(以下略)も傲慢にも買い切り商品の癖して、あーーーーーんなにたくさん入れているんですからね。
しかし竜が去ったのは寂しいやぁね。魔法も、やがて去るのでしょうか…。
ル=グウィンの作品は、アメリカ臭が立ってきたなと警戒すると、全く違う香りになって抜けて行くのでそういう所は好き。「アメリカ人のくせにやるじゃん」がプラス評価になることはどうかなとも思いつつ。
|