読了日記

2002年08月09日(金) 「楽毅 1〜4」

「楽毅 1〜4」(宮城谷昌光著,新潮社)

内容:中国の戦国時代の中山王国の宰相の息子楽毅が滅びかけの自国を守ろうとし、結局かなわず、後に燕の武将となり、大国斉を打倒する為尽力する話。


Iさんより借り物。
亡国の宰相の話なぞ暗くなりそうなものなのに、やはり宮城谷さんの話の向こうには「希望」が見える。
前に、「日本の歴史物は先に破滅しか見えないが、中国のそれは希望が見える」と言うようなことを書いたが、中国と日本の違いは、中国のこの時代には人知を超えるものが信じられており、つまり、存在していたからだろうと思う。また、忠や孝と言った儒教思想が確かに生きている。人の思想としての最上位に宗教があると言うのはそれだけでその人に人知を超えたものを与える気がする。(私は決して宗教理解者ではありませんが。)日本でその手の上位思想は学問としてあるかもしれないが決して武家社会の中では生きていなかった。その差なのだろうなと思った。人の汚れを払えるものはそれを越えるものしかないということか。

作中、人生において教唆となるような文がいくつも有ったのに、それを説教臭く強調して書くのでなく、物語の中にさらりと組み込んである。かくあるべし。


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