ヤマダの日記
ヤマダ



 ◆ PROMISE beat#6 ◆





 鈍い扉が開く。その先には華麗に飾られた君が居た。
 僕がその手を取って軽くおじぎをすると、同じように笑いながら掌を握り返してくれる。
 そしてそのまま始まる優雅な曲に合わせて、全てを忘れてたように踊り始めた。


 
 目がさめると、頭がやけに重く感じられた。見なれた天井は自室のベッドであることを物語っていて、誰もいない様子が静寂な雰囲気から手に取るように分かった。『ああ、そうだ、シリウスを探していたんだっけ?』とゆるゆると起き上がりながら思い出し始めた。
 シリウスを見つけようと走り続け、捕まえたと思った瞬間、拒絶の言葉を吐かれてしまった。そのまま去って行ってしまったシリウスを見つめながら呆然としてしまった。何も言えないまま、何も言わせてもらえないままノ状態でリーマスはただ立ちつくすしかできなくて。
 どうしようもない後悔の念がリーマスに取り付いて離れなかった。

 あんな条件を飲むんじゃ無かった。

 ジェームズに協力なんてするんじゃ無かった。あんな誤解されるような場所に行くんじゃ無かった。セブルスを誘い出すんじゃ無かった。

 それよりも。

 もっと早くにシリウスを誘っておけば良かった…。
 後悔は波のように押し寄せて、取り戻せない時間を歯がゆく呪った。そして、どうする事もできないのに、諦める事も出来ない自分にリーマスは苛立ちすら感じていた。 



 「リーマス…いるか?」 
 気力も無く顔をあげるといつもと違うジェームズがいた。
 「…なんて言うか…。悪かった。」
 どうやらピーターから様子を聞いて来たらしい。自信に溢れている様子は無く、しおしおと反省を噛み締めている様に見える。
 「君のせいじゃ無いさ…。多分ね。」
 リーマスはそんな『らしくないジェームズ』に苦笑しつつ話しはじめた。ここでジェームズを罵ったりでもしたら、それこそあとで自己嫌悪の嵐だ。その位は今のリーマスでも把握出来た。それに、今となってはどうでも良い話のように感じられた。もう、取り返しは効かないのだ。例え、一端が彼にあるとしても、結果は返る事は出来ない。それを知っていて責めるのは不毛以外の何者でも無いのだから。
 ジェームズはリーマスのベッドのわきに座り込むと、真剣な顔で覗き込んで来た。「まだチャンスはあるんだろ?」
 『できなければ…、奪ってしまえ!』
 というジェームズらしい言外の提案に、ふるふると首を降り否定を繰り返す。
 「ピーターが言ってた。…シリウスは女史に『YES』の返事をしちゃったってさ。…もう、遅かったよ。」
 それに、今回ばかりはダメだ。下手したらホグワーツと相手校の友好関係にも関わってくるしね。と、手許を見つめながらリーマスはぼそぼそと話す。
 「だったら俺も止めるよ。…俺ばっかりが良い思いをするのは嫌だ。」
 複雑困難な状態の責任を感じたジェームズが自分の結果をも取り消すと宣言したが、リーマスはそれを許さなかった。
 「それはダメだ。それこそ、僕のした事は意味が無くなってしまうじないか!」
 神妙な面ざしで見遣るジェームズを声柔らかに一喝して見つめ返す。そんなリーマスの本気を感じたジェームズは、これ以上はダメだと悟った。

 「……分かった。」

 リーマスはその様子を見て、安心したようにため息をつきながら、そのままもう一度ベットに潜り込んだ。
 「悪いけれど、一人にしておいてもらえないかな。」
 今は誰とも話したく無いんだ…と、リーマスは淡々と告げる。そんなリーマスにジェームズは何かを考えるように『何かあったら、俺の協力が必要ならいつでも言ってくれ』と、言い残して出て行った。





 『ダンスパーティが終わったら。』

 もう一度だけ捕まえて、もう一度だけ話してみよう…。

 





 『時期を図るしか無い』と、『今は遠い立場から見つめる事しか出来ない』と考えながら、リーマスは再び浅い眠りに落ちていった。

 





 ◆ NEXT ◆





 ◆はい、お待たせしました〜。辛気臭さベスト1の見せ場でした。(苦笑)この後、転落と誤解と浮上ですので、もう暫く暖かく見てやって下さいね。(笑)続きはまた明日になるでしょう〜。ふっふっふ。
 明日はようやく今度こそ!何も無い日になると思うので、表紙をアゲル気マンマンです!面白い効果も使うし、アンソロジーの表紙も、偽親子本の表紙も凄く良い出来になると思います!(っていうか、します!!)明日こちらもアプできたら誉めてやって下さい〜。(笑)
 ついでにリーマスの日記も上げたいな〜。できるかな〜。(微妙)

2003年02月18日(火)
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