バニラへの日々
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 2003年02月11日(火)   例えば薬物の話3 


(→続き)
 「アンタは麻薬を奨励するつもりか.アンタの意見のせいで青少年が麻薬を始めたらどうするつもりだ」という意見は一見もっともらしく,反論しにくい響きを持って僕らに近づいてくる.そしてこうした響きを持つ言葉は身の回りにいくらでもあふれかえっている.「青少年に害があるからエロ漫画の出版を差し止めろ」「差別的な言葉を出版物から削り取れ」「テロリストを殺せ」「飢餓に苦しんでいる子供を見てもなんとも思わないのか寄付をしろ」….

 青少年の麻薬,差別や飢餓の解消などの問題がそんな単純な戦略で解決するものならば,とっくの昔にどうにかなっている.こうした情緒的な意見の押しつけは真の問題を覆い隠し,むしろ解決への道筋を見えにくくさせてゆく.確かに人を問題解決へと駆り立てる衝動は,特にその初期においては情緒と無縁ではあり得ない.だが情緒に流されるがままに行動し,情緒に流されることの限界も見極めずカタルシスを得て満足するだけならば元も子もない.必要なのは論理によって方向付けられた情緒のエネルギーと,その実効性を常に自らに問い続ける姿勢であるはずだ.

追記.上に書いたことは社会問題に限らず,個人やその周囲の問題を解決へと向ける際にも当てはまると信じている.僕が現在感じている苛立ちは,実は,こうしたことを意識しながらもなかなか思い通りに行かず大して好転しない自分の姿勢や現状といったものに対して向けられているのかもしれない.


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