バニラへの日々
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 2003年02月10日(月)   例えば薬物の話2 


(→続き)
 だがこうした意見は世間に対して,時として逮捕されたその著名人の行為よりも犯罪的に作用してゆく.例えば薬物に対する議論を深めようとする場合を考えよう.児童虐待などと同じように,麻薬は議論の余地なく許されない「ダメ.ゼッタイ」的な行為に当たるものなのだろうか? これは必ずしも自明なことではないと思うのだけれど,そんな当然の疑問を表明して議論しようとすると「アンタは麻薬を奨励するつもりか.アンタの意見のせいで青少年が麻薬を始めたらどうするつもりだ」などと極めて情緒的な理由で攻撃を始める連中が出てきて,それは多くの場合「ダメ.ゼッタイ」的な意見を強く主張する人だったりする.

 感情的にスローガンを連呼して青少年を麻薬から遠ざけることに成功したとしても,実際に彼らが何かのきっかけで薬物を摂取したとき,そうした動機付けにどこまで効力があるのだろうか? 欧米では「なぜ」麻薬をするべきでないかを彼らに議論させたり,あるいは立ち直った麻薬常習者の体験談を聞かせたりする教育を施しているという.直感で考えても,外側から動機を与える日本式よりも,内部に動機を生み出すように働きかける欧米式の方が現実レベルでより強固なものになるはずだと想像がつく.

 実際なぜそうしたアプローチが採用されたのかといえば,日本式や欧米式を含めたいくつかの選択肢について青少年をいくつかのグループに分けた上でそれぞれ実行し,どの手法が最も効果的かを検証してきた上で選び出されたのだそうだ.

 「目的の実現へと向かうために実行可能な選択肢を提示し,その効果や影響を検証してゆく」.こうした手続きは至極真っ当なもので,疑問や誤解の入り込む余地などあり得ない当然のことのように思える.だが麻薬教育に限らず例えば性教育などについても,日本ではこうした検証作業が行われているという動きすら耳にすることはない.(続く→)


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