バニラへの日々
前日に引き続き,小学校2年生のときに実際に体験した話をご紹介する.ある日の放課後,僕がトイレに入っていたときのことだ.小学校や中学校では男子は個室に入りづらいもの.普通の休み時間だと間違いなくイタズラの標的だし,授業中ならクラス全員に「大きいの行ってきました」というのを宣伝することになる.そのときはやや人っ気が少なくなった放課後を狙って僕は個室に入ったのだった.
誰もトイレにいないことを確かめてから個室に入りカギをかける.ズボンを下げてしゃがみこみ「波」が押し寄せてくるのを待っていたら,突然数人がトイレに駆け込んでくる音が騒々しく響き渡り,僕の入っている個室のドアを激しくノックし始めた.
「出てきなさいよー!!」 「ここにいるのはわかってるのよーっ!!」
女子の集団だった.
彼女たちは「×××!!」と誰かの名前を叫びながらドアを激しく叩き続ける.知ってる声じゃなかったし,声の雰囲気からして上級生だ.全く心当たりは無いし,何よりも下半身むき出しで和式の便所にしゃがんでいるという状況が僕のパニック感を加速させる.
「ちがいます人ちがいですボクは○○○っていいます」 「ウソつけーっ!!」 「水かけろ水」 「ほんとですしんじてください○○○っていいますホントなんです2年6組です」 「じゃあ証拠見せて見ろよ」
僕は胸についている名札をはずし,床とドアの間の隙間から彼女たちに差し出した.
「ふーん…」
僕の名札を見た後の彼女たちは特に言葉を残すことなく,来たときと同じ騒々しさでトイレの外に駆けだしていった.そのあと自分がどうやってトイレから出てどんな気分で家路についたか,はたまた結局用を足したのかどうかさえ全く覚えていない.ひょっとすると僕がちょい年上の女性を苦手と感じることがあるのは,この一件以来のことなのかもしれない.
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管理人: vanilla
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