バニラへの日々
~以前の職場の話.僕の元上司は50代だが甘いものが大好きで,特にモンブランのケーキが大好物だった.彼の誕生日の数日前にはケーキ屋に走り,直径15cm程度のデカモンブランを注文しておくのが恒例になっていた.だが,出来上がってくるものは高さが圧倒的に足りない.僕のイメージは普通サイズのモンブランの形状をそのままに,体積を10倍程度にスケールアップしたものだ.ところがケーキ屋さんの作るものは通常の平べったいデコレーションケーキのスポンジを使い,生クリームのホイップをモンブランの茶色のホイップに変えただけ.全然「山」に見えない.高くすると重さで崩れる可能性があるからだろうか? さらに,ホイップのとぐろの太さも普通サイズのモンブランと変わりがない細いもので,迫力に欠ける.
去年の上司の誕生日の前には,地元でも評判のケーキ屋を新たに探し,イメージ通りのデカモンブランを作ってもらうべく店に出向いて店員さんとじっくりと話をしてきた.高さに関しては「なんとかなるだろう」という意見だったが,ホイップを太くしてくれというと「見栄えが悪くなるのでは……」と言われた.彼はやや伏し目がちだった.茶色の太く高いとぐろ.食事中の人ゴメンナサイ,ということなのだろうか?
「とにかく可能な限り高く太く」とお願いして出来上がったものは,それまでのケーキ屋に注文したものよりは確かに「リアリティ」が増していたが,ケーキを持ち帰った上司の家庭でどのような評判だったかは謎のままだ.
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管理人: vanilla
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