バニラへの日々
先日テレビの討論番組で「貧しく飢えて死んでいく人間がいるという現実の前では『生きる意味がわからない』などとホザく若者は傲慢だ」との意見が出ていた.発言者は10代男性で,1年間高校を休学しインドを中心に放浪の旅を続けていたという.OK.君の言いたいことはわかる.だがインドにはインドの,日本には日本のリアリティがある.日本の中でもそれぞれの状況に応じた現実がある.10代の現実,40代の現実,バツイチ女性,エリートサラリーマン,モテる奴モテない奴,孤独な老人,ゲイ,お笑い芸人など,皆それぞれの状況の中で生きており,それぞれの問題を抱えている.確かに日本で飢えて死んでいくことは滅多にないし,これらは豊かであるが故に生まれてくる悩みなのだろう.だがそうした問題が飢えの苦しみよりも些細なことだとなぜ断言できる? 「生きる意味がわからない」という空虚さや絶望感,自らのエネルギーや情熱を注ぎ込むことのできる場所を見出せない苦しみは,時として当人を死に追い込むこともある.個々の悩みや苦しみの大きさは同じではないが,比較不能なもの.「傲慢だ」と言い切るその姿勢が傲慢だということに早く気づくべきだ.
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管理人: vanilla
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