たそがれまで
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2004年03月30日(火) さくら




テレビ番組の特集で、400年前に豊臣秀吉が愛でた桜が
クローン技術によって蘇ったというニュースが流れた。

京都の後醍寺にあるしだれ桜の組織を使い、
5年かかりでクローン桜が花を咲かせたというものだった。
クローンがどうのと云うつもりは全くないし、言えるほどの知識もない。

ただその研究の過程がいろいろと大変だったようで、
見ていてとても興味深かった。

最初の頃は、培養液につけてある程度育てた苗を地表に植え替えると
軒並み枯れてしまったという。
いろいろ検討した結果、ある園芸家の方の言葉で道が開けたらしい。

薔薇は冬を越さなければ花が咲かない。

桜も薔薇科であるから、冬の寒さが必要なのかもしれないと
一度低温の中で一定時間を過ごさせてあげたら、
今度は見事にスクスクと苗は育ったというもの。

桜は冬を経験しないと芽が伸びないのです。

培養液の中で常に25℃に保たれた環境の整った場所にいるだけでは
花をつけることができない桜。
四季のある日本だからこそ綺麗な花を咲かせられるという。

それに冬が寒ければ寒いほど、
花の色が濃くなるという話しも聞いたことがある。
最近の花が薄いのはやはり温暖化の影響だとか・・・




人も同じだなぁと思った。
環境の整った場所にいるだけでは大きくなれない。
悲しみや苦しみという冬を経験しなければ、心が育たない。
自分自身という綺麗な花を咲かせる為には
涙という栄養が必要なんだろう。

すごい人だなぁ、大きい人だなぁと
尊敬したくなる人と出会うと、その人の中にある冬の苦しみを思う。
決して表には見えないけれど、いや見えないからこそ
本当に大きな大きな人なんだろう。


私の花はどのくらい咲いているんだろうか。
後醍寺のしだれ桜にはほど遠い。
まだまだ苗木で蕾さえ付いていないかも・・・





東風 |MAILHomePage

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