台所のすみっちょ...風子

 

 

社長〜。 - 2006年01月30日(月)

ここへ引越して来て2ヶ月が経つ。

検討に検討を重ねて買ったマンションだったが、

誤算だったのは、住民の皆様が「おしゃれさん」ということ。

会う人、会う人、例えば、「僕は広告代理店に勤めてます」とか

「丸の内でOLやってます」とか「夫婦そろってデザイナーです」

みたいな方々ばかりで、

私のようにジャージの上からコートを羽織って、

すっぴん顔で買い物に行くラフなヤツなどいない。


そして、もう1つの誤算。

それはこの地域が「寒い」ということだ。

あんまり寒いので、今まで住んでた都心と「Yahoo天気」で比べて

みたら、気温差は2度もあった。


そこで、年末に帰省した折、実家から「どてら」を持って帰ってきた。

綿のたっぷり入った、赤地に白い花束の、とび柄がかわいらしいヤツだ。

赤いどてらを身にまとった、雪ん子のような私に旦那が呆れ顔で言う。

「おまえね〜、ここはド田舎じゃないんだから。恥ずかしいだろ〜
 だいたい、うちのマンションでそんなの着てるのおまえだけだぜ、絶対!」


「恥ずかしい」などと旦那が言うのももっともである。

だが、その数日後、旦那の口から意外な言葉が飛び出した。

「さ、寒い・・・どてらって暖かそうだね・・」


早速、実家から前に父が着ていた、地味なペイズリー柄の

どてらを送ってもらった。

息の付く間もないほどのペイズリーで埋まっているどてらである。

それを着た旦那は、でかい体がよりたっぷりなって、

すっかりパイプの似合うおっさんになっている。

まるで、裸一貫で会社を興した建設会社の経営者みたいだ。


ここ最近、彼は我が家で「シャチョ〜〜!」と呼ばれている。


おしまい。


...




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