台所のすみっちょ...風子

 

 

ハト豆嬢。 - 2002年11月07日(木)

この3連休に多摩へ行き、どんどん高まる”懐かしさモード”

に動かされ、学生時代から結婚するまで住んでいた武蔵小金井にまで寄って

しまった私。

せっかく来たんだからと、私が結婚するまでの数年を

妹と住んだ「ブレスト・小金井」を訪ねてみることにした。

小金井の南口商店街を下り、小金井交差点の先の細い質屋坂をさらに下って

しばらく行ったところにそのアパートはある。

1階と2階に4世帯ずつ、計8世帯の外観の白い、ごく普通のコーポ。

フローリングの部屋、7畳のワンルーム。

8年は経つというのに、外観はおろか周りも何も変わってはいなかった。

住んでいた101号室を眺める私の耳に、

「おねえちゃ〜〜ん」とあの頃のように妹の声が聞こえてきそうなほどだ。

なんちゃって。


駐車場を挟んだ道に停めた車の中から、ボーっとアパートを眺めていた私だが、

ふと、ハトマメ嬢のことを思いだした。

ハトマメ嬢・・・私たち姉妹からあだ名を付けられていたその女の子は、

確か当時女子大生であった。(たぶん。)

何故「ハト豆嬢」と名付けたかというと、いつも顔が驚いていたので。

”鳩が豆鉄砲を食らったようなビックリ顔のお嬢さん”=通称「ハト豆嬢」。

当然のことながら、彼女は鳩ではない。


そう、人間なのだが、彼女はいつもビックリ仰天しているのであった。

他の住人と外でかち合わないように、又は挨拶もしたかしないかの

こそこそする人達が多い中で、

彼女はいつでも「おはようございます」「こんにちは」など、会えば必ず

ちゃんと挨拶をしてくれた。クリっとした瞳をめいっぱい開いたビックリ顔で。

どうして驚いているのか?

いったい何に対して驚いているのか?

不思議であった。

彼女のビックリ原因について妹と何度もミーティングを重ねたが、

私達にはまったく分からない仰天加減なのであった。



今考えると、もしかして彼女は私達の人相に驚いていたのかもしれない。

そして、そのことから今日、私はあの頃を思いだし二つの仮説を立ててみた。

一つは私と妹の顔がドキっとしてしまうほど怖いという「姉妹、強面説」

私達の父親は、かなり強面。作りが派手な上、目がぎょろりと大きく、

その目つきの悪さからヤクザと何度も絡み合った実績を持つ。

その親の娘だもの遺伝子の関係上、女ということで多少緩和されていても、

私達にもその人相の悪さがどことなく漂っていたのかもしれない。

そういえば、「黙っていると怖いよ」と、私も何回か言われた事がある。

もう一つが姉妹一緒の時限定の「おまえら本当に姉妹か?説」

私と妹の顔は、鋭くデカイ鼻とペッタリした平べったい口は、

一卵性のようにソックリだが、目の大きさが決定的に違う。

妹は目がパッチリくりくりしている。かたや、私の目はオチョボ目、めだか目。

当然のことながら、そのたった一つのパーツの違いで容姿に大きな差がついている

のであった。

どちらが美しいかは言うまでもないだろう。

違うのは目だけなので、目から下だけを見てくれれば、

間違いなく姉妹と分かるのだが、そんな私に良心的なヤツはいない。

で、あまりのパッと見の違いに仰天してしまったということが

充分考えられるではないか・・。



じゃっじゃじゃ〜〜〜〜ん!

8年前、私達姉妹が解けなかった謎がようやく暴かれようとしている!?

このことを、早速妹に告げなければならない!

そしてこの2つの仮説をもとに、緊急ミィーティングをしなければ。

・・・・・・電話しよ。




                   おしまい。


...




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