あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2007年07月29日(日)

スズメノテッポウを放つ
風を留めるために
青臭い夏の味
撃ち落せ、空

待つことに飽きすぎて
私たちは歩き出した
夏草の茂る庭は
果ても彼方も見えない
繋いだ手を離さないでね
真夏の汗に湿っていても

水なんていらない
雨は降らなくていい
かんかん照りの空に
焼き尽くされてしまえばいい
草むらに影は濃く、濃く
けれど足跡は刻まれないよ
どこへ行くのだろう
どこへ帰るのだろう
わたしたち、は

わたしの放った弾
あなたが指差した空
草笛ではか弱すぎたね
戦うすべなど無かったのだね

繋いだ手の熱だけを頼りに
眼を閉じても歩く
明日などいらない
ただ、歩いていられれば

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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe