今日もガサゴソ
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2004年02月15日(日) ゆっくりでも、とにかく、歩いている

キルトの制作は細かな作業の積み重ねです。
一足飛びに完成させることは出来ないので
コツコツとワクワクと
あるいはちょっと飽きたりしながら
針を動かします。
早く完成させるには
毎日少しでも長く針を持つことです。
これ以外にはありません。
便利なお道具もありますが、
やはり縫わねば....

でも、暮らしを放り出すことはできないし
体力もたくさんあるわけではないし....


私の親友が、身体を鍛えようと
あれこれ訊ね歩いて、バレエを習っていました。
病気のため続けることが出来なくなってしまいましたが
立ち姿が美しくなって
羨ましく思ったものです。
現在は呼吸法と太陰暦で暮らしのリズムを考えるのに
はまっているようです。
自分の気持ちよい暮らしのリズムを見つけられたら素晴らしいですよね。

その方は初めてのサンプラーキルトを
もう5年もキルティングしています。
月に二度、お教室の日に包みを開くのが精一杯のようです。
それでも、泣き言もいわず、いいわけもせず
誠実に針を動かしています。

私自身も睡眠のリズムが壊れていて
アレコレ体調の悩みや持病があります。
もっとじっくりと練り上げるような
作品作りをしたいというのが強い願いですが
時間が寸断されて
思うように作品を練ることができません。
ログキャビンのベッドカバーを仕上げてから
大作を完成まで持ち込むことができず
あえぐような気持ちも持ち続けています。
ピースワークだけで7年以上も
チビチビ続けているものもあるのです。

大好きな人形作家の
辻村ジュサブローさんが御著書の中で
興味深いことを書いておられました。
日常茶飯事が制作の集中を妨げるのが辛くて
工房を人気のないところに移そうかと思案したことが
おありだそうです。
喫茶店でそのハナシをしていたところ、
隣り合わせた見知らぬ婦人が
おずおずと声をかけて下さったのだそうです。
その婦人は、趣味に打ち込みたくて、本当に
人気のないところに住まいを移したのだそうです。
ところが、時間はたっぷりあるはずなのに
何一つ制作出来なくなったのだそうです。
ヒトは一人で生きているのではない、
お互いがもたれ合い、つながりあってこそ
暮らしも仕事も制作もあるのだと気付いた、というのだそうです。

現在、ジュサブローさんは東京の人形町というところに
工房を構えておいでで、お店のような場所の一角で
制作を続けているそうです。
初めて訪れたお客さまと漬け物を頂きながら
お喋りに興じることもおありだそうです。

私にはジュサブローさんのような作品は作れるはずもないのですが
でも、もっと制作に邁進したいという願いがあってこそ
少し悩み、少し嬉しく、小さな針目で
手を動かして行けるのではないでしょうか。

まだまだ子育ての真っ最中です。
いつか、きっとゆったりと針を持つときがくるでしょう。
少しずつでも続けていくことで
人生の節目に訪れるかも知れない
別れや悲しみを支えてくれる力になるかもしれない、
そんなふうに思うのです。

私にとってキルトってなんだろう。
一番、好きで好きでたまらない、
というものではなかったかも知れません。
でも、ココまで続けてきたということが
確かに、今の私を支えていると思うのです。
修行のようなものかもしれません。

お遍路さんのようなものかも知れません。
道すがら、ほとけさまに出会います。

幸せってなんですか?
愛はどこにありますかと叫んでも
それはつかみどころもなく
霧散してしまいます。
しかし、我を忘れ、時を忘れて針を動かしていると
それはそっと傍らに寄り添っているような
気がします。
そういうものに出会えて、本当に良かった。



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