今日もガサゴソ
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我が家のキルト君は 多分、幼い頃、人に抱かれたことがなかったのだと思います。 もう大人になった犬でも猫でも 抱っこされれば すっぽりと腕の中におさまってくれるものだと 思いこんでいた私は キルト君のふるまいが 初め、良く理解できませんでした。
抱き上げようとすると 怖がってか身をよじって暴れて 飛び降りるのです。
高いところが怖いのかと思ったら 小屋の屋根の上で暮らしています。
抱っこの嫌いな子なのかとも思いましたが ある時、公園のベンチで キルト君が私の膝によじ登ってきたのでした。
するとキルト君は私の膝の上に 私に背を向けて神社の狛犬のように座ったのです。 身体を全部預けて抱かれるということを 知らないのです。 時々振り仰ぐようにして 私の口元あたりにフチュフチュと 口を寄せてきます。 へんてこなスタイルだけれど コレはコレで、彼にとってはとても 親密で穏やかな状態のようです。
車で移動するときも 後部座席の私の膝の上で狛犬座りをしました。 今年のゴールデンウイークの長距離移動の時はじめて、 私とチャイルドシートの間に寝そべり 私の膝に頭をのせて眠りました。 普段、外で暮らしているキルト君は 私を見ると飛び出してきます。 だから私は彼の寝顔を間近に見たことがなかったのです。 ちょっと感動してしまいました。
その辺に捨てられた哀れな子犬でさえ 抱き上げればしがみついてくるのにと思うと やはり、キルト君の子供時代の寂しさを思います。
今でも、キルト君は ある年代の小柄なスポーツウェアの紳士を遠くに発見すると びしっとお座りして動かなくなります。
おとうさん、おとうさん、おとうさんが居る!
少し頭を低くして、全身緊張して 遙か遠くの知らないおじさんを凝視する キルト君の胸の内を思うと やっぱり泣きたくなります。 キルト君の胸の中にどれほど深く強い愛情があっても それはもう彼のお父さんには届かないのです。
いまでも腰かけている私が おいで、というと 喜んで膝にあがってきます。 やはり、背中を向けた狛犬座りです。
犬仲間のご近所さんたちは笑いますが キルト君が抱っこが嫌いではないという事実の方が 大事だと思います。
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