2003年03月27日(木) ＞＞ 手。
本日未明
「点滅信号だったけど、自分の前にいた車が進んだから自分も（停止せずに）進んだ」
なんて
交通法規のカケラもありゃしない飲酒運転の右折車両に
残業を終えた深夜
点滅信号の交差点を小型スクーターで直進していただりんが衝突されちまいマシた。
実は最近
やたらと夢見が悪かったりワケのワカラナイ圧迫感に襲われてたり
ヘンなモンとの遭遇回数や
オカシなフラッシュバック映像に見舞われる事がやらたと頻繁だったりして
イヤにめぐゴコロが不安定だったのもあり
イツモの帰宅時間を遥かに超えた時間が時間だった所為もあったので
とっくにお夕食の支度も済んでいためぐは
サスガに、「みょ〜に遅いなぁ。；」なんて思いながらも
「ゴハン済んだら全身バキバキ開脚率アップの刑ぢゃ。」なんて思ったりもしてたのデスよ。
と、ソコへ。
救急隊員を名乗る見知らぬ男性カラ、自宅のデンワが鳴らされたのデス。
だりんが
衝突事故に巻き込まれてアタマ打って血ダラケなので救急病院に搬送します。って。
現時点では搬送先が未確定なので、数分後に救急へ電話確認して来て下さい。って。
正に、青天の霹靂デスよ。（←実はそうでもなかったりなんかもしてるみたいなのだが。）
イツモなら
例え骨折が事後確認されよ〜とも
ある程度のケガなら自力で帰宅なされるだりんが、救急車で搬送。
救急隊員から電話口に呼び寄せられた当事者をなのる男性は
何とも取り留めのないコトバ使いで、ひたすら同じセリフを繰り返す。
「自分が悪いんです」「Ｓサン（←だりん。）は悪くないんです」「意識はあるけど出血がひどくて」
ってゆ〜か。
実は、意識がある云々なんて知ったこっちゃなかった。
今をキチンと生存していて、この先もずっと元気でいられる保証があるのかどうかが
めぐには、何よりも先だった。
そんな電話連絡から５分後
未だ搬送先が判明しない現状にイラ立ちながらタクシーに乗り込んだめぐは
自ら目安をつけていた病院へと、行き先を告げた。
道中、そんな予想が的中して
確認できた搬送先の病院に、思ったヨリも早く到着できたのはヨカったのだけれど
その後
１時間経っても２時間経っても、救急治療施行中のカレとは会えない。
不安と時間の流れダケが募る中
検査の為に部屋を移動させようと車イスに乗せられたカレの姿を目にしたのは
めぐが病院に到着してカラ、既に３時間以上も経過した頃の事で
ソレは
視線すら合わす事の出来ない、ほんの一瞬の出来事だった。
そんなほんの一瞬でも
呼吸をしている安堵感と、コレカラへの不安
そして
無造作にアテられた包帯の色と、痛々しく全身に散らばる“赤褐色”とのカラーリングに
カラダ中の血が、逆流した。
そんな中で
原型の至るトコロが留められていないカレと、ようやく最初のヒトコトを交わせたのは
めぐが病院に到着してから
実に、３時間半以上も経過した頃の事だった。
全身で“その”痕が見られるカレに、一体どう触れればいいのかワカラナカッタめぐは
ただ、手を握っていた。
当事者の、
（っても、この場合）“加害者”のＫサンには、その時点でお帰り頂いて
地下にある救急センターが窓口を閉め、上層階の通常受け付けが開始される時間マデ
あれこれといろんな用意をこなしながらも、ひたすら手ダケを繋いでいた。
ナンだかソレは
一向に休息の取れない病院での入院生活を拒否して
通院しながらの自宅療養をする為に帰宅してカラも変わらない。
だってヤっパり
毎日だっこされて、腕やヒザで枕をしてもらって
大騒ぎしながら一緒にトナリで寝てたムダゲンキ（ヲイ。）の昨日マデとは違うから。
ドコにどう触れればイイのか
どうすればそのカラダに少しでも負担がかからないのかがサっパりワカラナイから。
ソレでも、「（こう触っても）痛くない？」って聞いてみる。
そして
体温と鼓動と今を確認したいが為ダケに、ただただひたすら手を握る。
実は
そんな２４時間の中でも、一度ダケ『だっこ』をお願いしてみた。
この腕が
匂いが、時間が、空間が、想いが
ココロなく壊されずに済んでよかった。
ココロなく失ってしまわずに済んでよかった。
そして何より、ココにシっカり息吹いてくれていて本当によかった。
祈りと願いと想いを込めて
暫くは、痺れながらも手をつなごう。
◇◆◇ めぐ。 |
