12月から与えられた仕事は 93歳の依存症の女性を メンタルケアするということで始まりました はじめの数日間 私は何をしてくれるのか 探りを入れるように あれもこれもと 仕事を言いつけたのでした 『今までそうしていましたか?』 と尋ねると 「してた」 と答えます ずいぶんと何から何まで上げ膳据え膳のように してもらっていたんだなと驚きましたが 仕事につく前に 「いずれは依存症を治していきたいので 自立を促す接し方でお願いします」 というようなお話を 主任さんからされていたので できることはなるべくしてもらおうと あの手この手で向き合ってきました そんな私の様子を察してこの方は 「あんたは駄目や」 ということもしばしばでした 少しずつ薄皮をはがすように そっとそっと・・・どうして自分でしなければならないのか 何度も何度も話していくうちに この方が少しずつ変わっていくのが感じ取れました 2月で1年になるもうひと方は リハビリをかねたメンタルサポートとして お仕事を引き受けましたが 1年の間に 歩くことはおろか 立つことさえ 不可能になってしまったのです おむつで過ごしていることや 車椅子で移動することを もう一方の方にお話していくうちに 自分がまだ歩けたりトイレにもいけることが どれほど大切であるか 痛感しているとも考えられます 今日などは 寝たきりの棟まで散歩に行き 車椅子の方がフロアで過ごしていて 異臭に気付きよく見たら 軟便が オムツからもれ ズボンをつたって床に溜まっていほどなのに 痴呆がひどくて 本人には訴えられずそのままになっていて・・・ という 一大事を目の当たりにして 『あんなになるまで気付いてあげられなくて どれほど気持ちが悪かったでしょうに・・・ かわいそうなことをしてしまったね・・・』 と話すと やるせない顔をして 「かわいそうだった」 と私の言葉を繰り返していました 私が帰る頃になると 決まってあれこれして欲しいと言い出すことも 私が娘を2人残して家を空けていること 食事をしないで待たせていることなど 散歩をしながら話してきたせいか 要求は激減し 出来ることは自分でしていたり お風呂の支度をしていると ちゃんと服を脱いで 待っていてくれるようになり 時間通りに帰宅できるようになってきたのです して欲しい気持ちもわかりますから 頭から自分でするよう言えないものです ほどほどに手伝い 後は私は片付けなくては 時間に帰れないと話せば 黙って続きをするのです 相手の状況を考えれば 相手の負担を軽くしようと 思いあえるものなのかな・・・ 2人の女性に教えていただくことがたくさんあります 今日の入浴介助のとき お湯の温度を聞きながら 『熱くない?ぬるくないですか?』 と希望の温度に調節しながら 手の届かないところを助けて洗っていたら 「色々言ってすまないね・・・」 と言ってくれたのです 『いえいえ 何でも言っていただかないと ○○さんのことがわからないんですよ 我慢したりしないで 何でも話してみてくださいね』 との私に 「ふふふふ」と微笑んでくれました 私のことを労わってくれている・・・ 私は大切にしてもらっているんだな・・・ そんな気持ちで一杯になりました 言葉の力はすごいです ひと月前には こんな関係ができるとは 思えなかったですから・・・ この方のこの思いを大切にしていかなくてはと つくづく感じたのです
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