友人のお誕生日が近くなりました 何かいいものはないかしら・・・・ 財政は赤字です でも 心を贈りたいな・・・
手作り品をあれこれ考えましたが なかなか決まりません そこで思いついたのが 以前妖精の置いてあったあのお店です 品数豊富で 私でも 金額的に手の届きそうなものがあったのを 思い出したのです そこの奥様は とてもマッタリとした方で お店に入るときの「ピンポーン」が聞こえない様子です 中でお客様を接待している声が・・・ 無用心だけど・・・私としてはゆっくり選べます
品物が決まるころ やっと がらりとドアが開いて 「あら・・・ごめんなさいね ベルが鳴らなかったのかしら・・・」 いえいえしっかり鳴っていましたよ・・・ 「ふふふ」っと笑っただけにしておきました プレゼントなので箱に入れていただいて 気になっていた置物について質問します 私「この置物のシリーズは みんな羽根があるのに これだけは無いんですね・・・」 すると奥様 奥様「そうなの・・・背中を見てください・・・」 と・・・手に取り後ろを見ると 見事に羽根の根元から ぼきりと折れているのです 私「どうしたんですかーーー!!」 とあわてる私に 奥様「落として折れちゃったのよ・・・」 私「ええええっ!痛そう・・・かわいそうに・・・ そうだったんですかぁ・・・」 奥様「あげる・・・」 私「ええええええええっ!」 奥様「気にかけてくれた人に もらっていただこうと思っていたから・・・ 差し上げるわ」 私「いいんですか・・・?羽根をつければ まだまだ何とかなりますものね・・・ 私・・・羽根をつけます! これ・・・いただきます!!」 どうしてかな・・・このお店に来ると 私は妖精を手に入れることになるのでしょうか そう・・・この置物・・・羽根の折れた妖精だったのです お花の帽子をかぶり 同じお花のワンピース・・・ でも・・背中の羽根はなくなってしまって・・・ そんな気持ちで妖精の顔を見つめると どうしたらいいかしら・・・って 途方にくれたようにも見えたりして・・・ 飛び切り素敵な羽根をつけようね と 妖精と約束をしました
それにしても・・・ ここの奥様は マッタリしています こればかりではなくて 欠けてしまった陶器や 石の取れてしまった指輪 欠けた絵皿など・・・売れないものも 売り物と一緒に置いてあるのです なんともそれがいいのです 壊さないように汚さないようにと気遣うようなお店なのに すでに壊れていて汚れていて 「いいのよいいのよ 見るだけでいいの・・・」 そういってのんびりと選ばせてくれます 何でも・・・お若いときから輸入雑貨を扱っていて 今では 輸入家具を扱うお店としては かなりなようです 有名デパートにもいくつかお店を出しているそうで このお店では 儲けようと思ってしているわけではないそうです (だからといって 壊しちゃいけませんが・・・) なんか いいなぁ・・・ 輸入した品々から 外国の空気を感じて どんな人が作ったのかを想像したりして・・・ 作られた国の独特の色や特徴が素敵です 愛着のある品々を 一つ一つ手放していく・・・ 遠い国から運んできて 自分がいいと思ったものを 人もいいと感じてくれて 買い求めていくなんて ちょっとロマンを感じてしまったりします さて・・どんな羽根にしようかな 薄いのがいい?きらきら光るものがいいかな・・・ 丈夫なのがいい?丸いの?とがったの? ・・・なぜか責任を感じてしまったりして・・・
出来たら奥様にも見ていただこう!
妖精の羽根
美しい音楽を聴きながら
木漏れ日のさす 静かな午後
きらきらと 陽の光が反射して
眩しくて 見つめては居られない
心穏やかでいて ワクワクしていて
純真で 悪戯で
限りなく妖精に近い気持ちになれたら
羽根を作りだせるでしょうか
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