翠の日記

2011年04月30日(土) 4月読了の本

今月は今まで読んだようなことのない毛色の変わったものとか、読んでみました。

『燔祭の丘』篠田真由美
 建築探偵シリーズの完結編です。過去の伏線を拾いつつ、蒼が京介を過去の事件から救う展開で、『原罪の庭』の立場を逆にしたような話でした。
 現在の色々な問題はあっさりまとめだけのような気がして、ちょっと物足りない感が残ります。
 それにしても、13才のアレクセイが反則で、とんでもない落とし穴があってびっくりしました。
 神代先生とモイラの報われなさは、適量加減で良かったかも。深春と綾乃の決着がつきそうなのが一番すっきりして良かった(苦笑)

『ゴーストハント旧校舎怪談』小野不由美
 文庫を改訂して単行本化したんですが、麻衣が「普通の女の子」から「威勢の良い女の子」に変貌していて…麻衣の一人称で進むので、旧作を読んでるとちょっと違和感があります。
 綾子が麻衣をかばうシーンがちょっとほろりときます。
 
『伏』桜庭一樹
 「伏」と呼ばれる人外をめぐるお話です。馬琴が八犬伝を執筆中の時代もので、元ネタ知ってると、さらに楽しいと思います。私の場合は角川映画程度のうろ覚え;
 道雪と浜路の兄妹が、ほとんど夫婦漫才になってて可愛いです。狩られる伏はふてぶてしくて、悲壮感がないのに、発端の過去話は重くて読み応えありました。

『桜庭一樹−物語る少女と野獣−』
 特集雑誌が図書館にあったので。↓の2冊はここに載ってたお勧め本。他にもタイトルで選んで色々読んでみようと思います。

『ずっとお城で暮らしてる』シャーリイ・ジャクスン
 幽霊屋敷誕生秘話…という話でした。姉を思う妹と妹を思う姉の話。常にどんより。
 
『クールキャンディー』若竹七海
 一度読んだ話ですが、「兄と妹の話で、ラストがすごく好きだった」ということしか覚えていなかったので(私の記憶力ってそんなもん)、二度目でも楽しめました。
 やっぱりラスト5頁くらいがもう大好きです。この兄妹は、きっと今後もこんなことが起こるような気がします。…こんな兄が欲しい。


 < 過去  INDEX  未来 >


翠 [HOMEPAGE]

My追加