CYMA’S MURMUR

2006年10月08日(日)   極楽寺


父の時計を求めて、妹と銀座へ。
結局決まらず、本人を引っ張ってくるしかないという結論に。

時計って、腕にはめてみないとわからない。



The fray を聞きながら、ずっと本を読んでいる。
佐藤多佳子の「黄色い目の魚」。

すごく、いい。



「極楽寺」という地名が出てきた途端。

本当にその刹那、あの日の私が見えた。

自分自身のこととは思えない、
引いたアングルから、
薄暗く暮れつつある鎌倉の街を歩く私の後姿が。

だから何ということもなく、
言葉になんて到底できない。

すごく遠くに来てしまった。


でも。

だから?

私は変われるのだと思った。
理由もなく、確信した。

私を変えられるのは私だけで、
私が変わろうと決めたなら私は変わるのだ。

大丈夫だ。
必要なのは私の決心だけ。

極楽寺。

たった3文字が目に入った瞬間に、
そんなようなことが、パッと頭に浮かんだ。

言葉の呪縛って、すごいと思った。

でも、大丈夫だと、思った。






ちょくちょく、窓を開けるようにしている。

ふと気付いたら、キッチンに虫がいた。

せっかく流れ始めた私の心を蝕むように。

よく見たら小さな蜘蛛だったから、
多分外から入ってきたものではないのだろう。
網戸はしっかり閉めているし。

久々に花を買ってきた。トルコキキョウ。
キッチンで水につけておいて、
さて花瓶に生けようか、とよく見たら、
蕾に芋虫がついていた。

あぁ、変わろうと思った途端、
神は何故私にこんな試練を与えるのか?

変わりたいと強く願っても、
虫への恐怖の方が強いなんて、馬鹿みたい。

試されているわけではないだろうけど、
世の中には私にとって都合の悪いことも
沢山あるのは当たり前。





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