祖母が亡くなった。
まだ確実な情報ではないけれど、 90%本当の話らしい。
台風による大雨で、土石流がおき、家ごと流されたらしい。 まだわからない。 わからないけど、本当らしい。
鉄道は動いていないし、道路も寸断されていて、 誰も現場に近付けない。 電話だってつながらない。 わからない。 でも、そうらしい。
行方不明の1人の生存が確認されたという報道もあった。 それが祖母であればと思うけれども、 そこに希望をつなぐのも辛い話。
祈っても、届かない。
最後に祖母と話したのは、10日くらい前。 そうだ、日記に書いたっけ、その話。 「東京ラプソディ」の話だ。
こんな終りが来るなんて、想像してなかった。 するはずもなかった。
もっと話しておけばよかった。 もっと会いに行けばよかった。
週末、両親と妹に会ったときに、祖母の話をした。
「電話したけど、元気だったよ。 町内会の旅行に行こうかどうしようか迷ってたから、 行けるうちに行っておくべきだ、って勧めておいた」
そう私は言った。 行けるうちに行っておくべきだったのは私だ。
妹は、そのとき、こう言った。
「最近台風や地震が多いから、おばあちゃんの所大丈夫かなって、 いっつもニュースチェックしてるんだ」
こんなことになるなんて、誰が想像しただろう?
その一方で、祖母らしい最期のような気がする。 病院でいつまでも生きながらえさせられるのは嫌だと言っていた。 延命措置はして欲しくないと言っていた。 誰にも迷惑かけずに、コロっと死ぬのが理想だと言っていた。
まだ確定じゃない。 私はまだ生存の希望を捨てるべきではないのかもしれない。 祈り続けるべきなのかもしれない。
でももう、私は彼女の死を受け入れつつある。
それでも神様。 おばぁちゃんを助けてください。
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