主人と息子と三人で出かけた帰り道で、息子が、
「両国(仮名)に行こうかな?」
と言った。両国というのは、以前息子がバイトしていた、焼き肉屋さん。
マスターにハッキリと言わないままやめてしまったことがかなり気になって いたようだ。
「行ける時に行った方がいいんじゃない?」
と息子を途中で降ろした。
焼き肉をご馳走になり、その時のことを詫びたら、
「そんなの気にするな」
と言われたらしい。
20歳になった息子はマスターとビールで乾杯した。
マスターは71歳!息子を孫のようにかわいがってくれる。
それから少し話をして帰って来た息子は顔が真っ赤。 主人に似てお酒に弱いらしい。 すがすがしい顔をしていた。
「今まで喉につかえていたものが取れた気がする」
と言った。
気になっていることがあって、前に進めないことがある。 どうでもいいこと、と言って気にも留めない人もいるだろう。 息子はどうしてもそれをしないと前に進めなかったのだろう。
これで一つ、息子の悩みの種が減った。
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