ちょっとだけうれしいことがあった。 一生が私と一緒に美容院に行った。髪が伸び放題延びて、女の子と間違われるほどになっていた。私が切ってもいいのだが、外に出て少しでも他人と話をして欲しくて、「一緒に美容院に行こう」と誘った。いつも外に出たがらなくて困っているのだが、なぜか今日は「行かない」とは言わなかった。「行かない」と言わないのが、一生なりの「行く」の意思表示である。
一生が先にカットをして家に帰り、同じ美容師が私の髪をカットしてくれた。
美容師「息子さん、昨日誕生日だったんですってね」
私「ハイ」
美容師「それでね、『いくつになったの?』って聞いたら、『わかんない』って言うんですよ」と笑っていた。
そして、一生のことを、
「明るくておもしろい子ですね。それにちょっと天然ボケっぽいね」と言うので、短い時間によくそれを見抜いた!と感心した。
私の精神状態は、まだ落ち着いていないのかもしれない。
主人とこんな会話をしていた。
私 「今度やる時は、ちゃんと『リストカットしました』って言おうかな。それに血液がついた物全部持って行ってさ・・・。そしたらもっと早く縫ってくれたかも」
主人「そうだね。その方がいいよ・・・って『今度』があるのか?やめてくれよ」と苦笑。
私 「アハハハ・・・・」 と笑ってごまかす。
主人「そのぐらい明るければ大丈夫だ」
職場の先生にも本当のことを言えたらどんなに楽だろうと思った。人に気を遣わせるのは好きじゃないけど、嘘をついたばかりに、みんなに嘘をつかなければならない。 「どうしたの?」 と聞かれる度に、嘘をつき、そして心とは裏腹に笑う自分。それがとても辛かった。そして自業自得を繰り返すばかり。
リストカットについては、「最初で最後」って書いたのに、「絶対にしない」とは言い切れない。今まで自分をいろんな形で傷つけてきた。その度に主人は心を痛めて来たのだろう。それでも私はやめられなかった。
「僕の好きなものを傷つけるな」と何度も言われた。
でも、私は苦しくて自分を傷つけずにはいられないのだ。
リストカットは心地よかった。
私の心の痛みはこのぐらいと表現できた事が心地よかった。そして安らぎさえ覚えた。主人の気持ちや、心配して下さった方々のことを考えたらとても後ろめたいのだが、これが事実だった。
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