ようやくムロマチから監察官が来た。 調査の間、新しい話題は制限されるけれど内容によっては許可もあるらしい。 12月だからクリスマスイベントのコトも話し合いたいし、新規入国の挨拶のこともあるし。 多分そういうものは国として必要だからいいんだろう。 協力を惜しむつもりはないけど、さすがに10月の中ごろの話までは知らない。 覚えていてメモを取ってる人が協力すると思う。 なにしろこれが終わらないと「ウマリはいつまでも今回のコトについて発表しない」と他国からいろいろ言われるし。 言われてもなー、と思わなくもないけど。 結局は認識が違ったり、甘かったり…ということなんだろう。 異界での生活がどうとか。 本来それを持ち込むことが外交的に許されるのかどうかさえ分からない。 「それは仕方がなかったね」 そんなこと、国内の味方以外言ってくれないと思うしね。
それと私がウマリに戻った時、そんな詳しい話はなかったと思うのだけど。 私はいろいろと話を訊き込んだり、噂を耳にしたりはしたけれど。 調べまわったわけじゃないからメモは持ってないけどね。 でも突然「開戦するかどうか」って話だった気がする。
もっともウマリは話し合う体制ではなかったし、大抵は「決まったことが降りてくるだけ」なのだから不思議でも何でもないこと。 もしすべての話が筒抜けだったら何かが違っていたかもしれないし、それでも違っていなかったかもしれない。 国の中は人が作っていくものであったけれど、国の外のことはそうでもなかったから。 ゼアの外領であったころでさえ「ゼアって何処?」だった。 それほどにこの島国は長く平穏だったとも言えるのだけど。 この国のことだけ知っていればいい。 そんな時代がまた来たら、それは幸せなことなのかもしれない。
だからというわけじゃないけど。 会議室に残っているものなんて、多分ない。 あるとしたら開戦するかどうかの投票だけだ。
ユーキさまが地図を見ている。 私は日付けが変わったら出国しよう。 今度こそのんびりするんだ。
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