いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2012年10月01日(月) なんで5億円も積み立てる?新空港線整備資金

 さる9月28日の区議会定例会で、とんでもない議案が所謂「区長与党」(自民、公明、民主)の賛成多数で可決されてしまった。

 それは、運輸政策審議会において「整備着工することが望ましい」とされた、新空港線(蒲々線)整備資金に使うために5億円を大田区が積み立てる、という条例改正案と補正予算案である。

 問題点はいくつかある。

 まずは、基礎的自治体である大田区が、広域行政(都道府県)や国が行うべき大都市交通網整備に手を出す必要があるのか、という点である。

 何しろ、この新線は、区内で多摩川、蒲田、南蒲田、大鳥居の4駅しか停車しないのだ。多摩川線と空港線のそれ以外の駅は通過となる。結局、便利になるのは、東急線沿線の田園都市線や埼玉県方面から渋谷経由で羽田空港に至る方々であろう。

 その途中駅である蒲田で下車して「観光」や「飲食」をする人が増えるに違いない、と大田区は強弁する。が、そうだろうか?重い荷物をかけたら、早く家に帰りたいだろうし、出発前なら空港内で待機するだろう。

 次の問題点は、広域自治体である東京都まで、大田区の作成した「事業採算性」について、疑問符を投げかけている案件なのだ。つまり、関係者の合意形成すらできていない計画である。

 さらには、事業主体も未定である。こんな訳のわからない「新空港線」に、区民の貴重な税金を5億円も積み立てる神経を疑う。そして、その監視役であるべき区議会が、「区長与党」だとの理由だけで、すべての議案に「賛成」、「白紙委任」をしている惨状は困ったものである。


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