いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2006年08月31日(木) 秋風を感じると思い出す、あの辛かった日々のこと

 今日は月末である。普通の生活をしている人々にとっては「月末」というのはさほど大きな意味を持たない。お役人にいたっては、3月末以外は、その他の日と同じに、のどかな時間が過ぎていく。極めつけは、商工業者が対象の会議を月末の午前中から午後にかけて開く世間知らずまで、お役所にはいる。

 さて、今日、月末も、朝から「零細企業経営者」として、銀行めぐりだった。ITの時代、銀行をまわらなくてもいいようなものだが、様々な事情があって、銀行(正確には金融機関)をまわる。

 まずは、信用金庫に返済に行く。こちらは、過去20年以上経営して倒産させた旅行会社の連帯保証債務と、現在経営している会社の延滞債務、そして個人の借金を毎月現金で返している。

 次は、信用組合。ここも、過去の連帯債務の返済用口座へ入金に寄った。
いずれも、振り込めば時間の節約になるが、昨今の振り込み料の金額を見ると、使えない。(1件840円、この2金融機関だけで、4口座3360円もかかってしまうのだから)

 そして、蒲田に戻って、都市銀行で個人口座やら法人口座の振り替えなどをして、コンビニへ。コンビニでは、神奈川県と東京都の信用保証協会(中小企業の保証人肩代わり機関)への、債務返済金を支払う。(コンビニだと、振込み料がタダ。銀行だと有料)

 最後は、事務所に戻って、パソコンを使って、ネットバンキングで取引先や社員さんに支払い。途中残高が不足すると、他の取引先からの入金をパソコンで監視し、入り次第すぐ振り込む。

 こうして、最後の入金確認、支払いが済んだのが午後3時ギリギリ。これで「経営者」は終わり。急いで、市民団体の勉強会へ急ぐ。これからは「区議会議員」である。結局、昼食は取れず、勉強会で出されたお茶菓子で空腹を誤魔化す。

 街を歩くと、いつの間にか秋の風だ。4年前の秋。同時多発テロで、我が人生は、大きく揺らいだ。6店舗あった旅行会社の預金口座からは、毎日残高が減る。9月末は、なんとかもった。10月はやばかったが、消費者金融から借りてなんとか切り抜けた。11月は、神奈川県信用保証協会と、ノンバンクから借りてギリギリ。12月は‥‥
だめだった。

 あの、胃が口から出そうな秋の日々。寝ても覚めても、いや食事をしていても、酒を飲んでいても考えることは「明日の支払い」だ。意識がなくなること、つまり夜の布団の中の暫しの時間だけが、そのことを考えなくていい時間だった。

 もう、早く逃げたい。自己破産でもいいから。そんな事をを考えたのも、秋から冬への季節の変わり目の頃だ。

 だから、今でも秋風は嫌い。心地いいはずの風が、あの日々を思い起こさせる。

 でも、負けないで頑張れるのは、多くの友人、家族、地域の方々の応援があったからだ。今でも、借金総額2億円余り。完済まで300年。でも、元気だ!

 全国の社長さん、負けないで!!


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