| 2002年10月08日(火) |
法律と、住民意見のハザマで |
今日は、区議会都市整備委員会が開催された。まず、区内に新設されるアスファルト工場の現場を視察する。この工場の新設については、6本の陳情が提出されており、この審査の一環としての視察だ。雨がぱらつくなか、現場に到着すると、数人の住民の方がカメラをむける。肖像権などと言うつもりはまいが、あまり気持ちの良いものではない。施主、代理人の説明を聞き、搬入、搬出路を実際に通って区役所に帰った。もっと、大反対部隊に取り囲まれるか、と覚悟していたが、あっけななかった。(実は、100名をこす人々が、近隣の中学校に待機していたらしいが、雨のため、この学校への視察は、急遽中止になった)委員会で、陳情の審査がはじまったが、共産党が採択、つまり、建築確認、工場認可を取り消せ、というものだ。しかし、建築確認は、いまや、民間団体でも出すことができるし、法令に基づいて出された申請を受けなかったり、取り消すことは出来ないし、そのことを、行政に議会が要求することもできない。できないことを、できるように装うのは、かの政党の得意とするところのようだが、住民にとって何のメリットもない。そこで、私は、6本の陳情を、2つのグループに分けて、議論すべき、と主張した。4本は、行政(大田区)が出した、または、出すであろう許可を取り消せ、出すな、とのもの。残り2本は、地域住民の生活環境を守ってほしい、との趣旨であった。前者は、法令違反を区に強いるもので、到底、議会として採択できない。後者は、当然のことであるので、採択すべき、と主張した。残念ながら、”全会一致”が陳情採択の基本のようで、”継続審査”となってしまった。その間も、工事はすすみ、陳情の趣旨は、無意味になってしまう。出来ること、出来ないこと、ハッキリ明示することは、議会の良識である、と信じている。
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