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2019年05月13日(月) 「GHost9 Solid」のこと

 「GHost9 Solid」(Black Bastard)の感想を。
 2000年に起きた「暴動」を契機に、輩と呼ばれるゾンビが世界に蔓延るようになった。主人公の数納歩は仲間の漫画部員と協力して学校内で避難生活を送りながら政府の救助を待つが、鋼の後継者との出会いにより幾度めかの戦いの場へと身を投じる。鋼の後継者とは何者か。ループ世界の正体は、そして、全ての根源であるナインシステムとは。全ての謎が明らかになる「GHost9」シリーズ最終章。

 2.5Dシステムを特徴とする探索アクション。2.5Dシステムとは、三次元空間で構成されたマップを、二次元の画面を見ながら行動するというシステム。表示される画面は主人公を横から見た視点で二次元アクションゲームそのものであるが、いくらかの手前や奥行も表示される。攻撃は左右のみだが、移動は左右以外に手前と奥にも可能。主人公の向きは90°ずつ変えることができ、それに伴いプレイヤーの視点も90°ずつ切り替わる。敵や仕掛けは普通に三次元空間を移動して、同一平面にいなくても攻撃をしてくるので、攻略には視点を上手く切り替えてプレイヤーに有利な状況に持ち込む必要がある。
 操作は左右と手前、奥への移動、攻撃、ジャンプ、武器切り替え、2D視点と3D視点の切り替え、左右90°の向き変更、メニュー。3D視点では特定の武器による狙撃ができる。
 ゲーム内容は一般的な探索アクションで、マップを探索してアイテムを入手することで主人公を強化させ、特定の場所に行きイベントを発生させることで物語が進行する。イベントの中にはボス戦も含まれる。敵の攻撃を受けると体力が減り、体力が無くなるとゲームオーバー。敵の攻撃以外にも仕掛けや一発死の罠も登場する。

 いよいよ「GHost9」シリーズも最終章ということで、プレイするのに随分と踏ん切りが必要であった。そのくらい思い入れの強いシリーズである。
 2.5Dシステムはもう操作が体に馴染んでおり、開始直後から自在に三次元空間を動き回ることができた。二次元という制限された情報をつなぎ合わせて三次元空間を頭の中に展開していく面白さはこのシステム唯一無二のものである。今作も、その面白さを堪能できるマップが多数用意してあり、探索のし甲斐は十分であった。
 また、今までのシリーズでは統制された兵士が主な相手だったが、今作の輩と呼ばれるゾンビはそれとは対照的で無秩序に徘徊しては襲い掛かってくる。その数も今までとは段違いに多いことから、今作は敵から身を隠す必要性は極めて薄く、敵は積極的に倒しにいく存在となっていた。その状況に応じてか今作では武器が比較的手軽に強化できて、強化に応じた手応えを楽しめるのはシリーズの中でも異色かも。能力の低い序盤こそ地道なプレイを要求されるのはシリーズ恒例だが、そこを過ぎてさえしまえば輩など動きの遅い的でしかなく、一方的な輩狩りが楽しめるようになり実に痛快。ただ、武器が際限なく強くできるので、神託機械など他のシリーズでは頼りになった武器の有難みは非常に薄くなっていて、そちらは単なる収集要素と化していた。何しろ、ダンビラとドラグノフの2つの武器さえ強化していれば十分に事足りてしまうので。

 今作は探索要素は他のシリーズと比べると比較的易しめといった印象を受けた。単純に特定の場所に行けば素直にイベントは発生するし、次にどこに行けばいいかもメニューの中に表示されるので、それに従えばそれほど迷うことなく進むことができた。ただ、即死地帯とラスボスと真のエンディングの条件だけは先達の情報を頼りにしないと分からなかったが。
 一方のボス戦は相変わらずボスの機動力や攻撃力が高くて難易度も高め。ただし、今作では体力以外に武器の攻撃力も上げることができるので、力押しは他のシリーズよりも簡単になっていた。もちろん、ちゃんと攻略しても勝てるようにはなっているが、力でねじ伏せるのもまた楽しいものがあった。
 幕間のデモが3Dで表示されるのは、まだ動きにぎこちなさがあるものの、動きや表情など2Dでは表現しきれないものが十分に表現されており、物語の理解度が格段に高くなったのが好印象であった。

 世界観は異様の一言に尽きる。今作では最初から輩のような非日常的な存在が徘徊しているが、ゲームが進行するにつれて魚の頭をした人型の生き物が這いまわっていたり、だるまやこけしのような置物、ユニコーンなどの架空の生物が敵として登場するようになる。ボスも人を相手にしているはずなのにその姿は人とはほど遠く、物語が進むにつれて世界から現実味が次々と欠落していく。今までのシリーズとはまるで違う異様な世界観に困惑しつつも結末までたどり着いたとき、そこにはこの現実味に乏しい世界となった理由を含む求める答えの全てが用意されていた。これぞ正に最終章というに相応しい結末であったが、その上で真のエンディングは含みを残す形になっており、否応にも物語の続きを期待してしまう。

 とはいえ、この結末をもってしては、これで最後とせざるを得ないだろう。スノートの物語はこれで一区切りであるが、2.5Dシステムは次回作「サイバー忍」に継承されているので、今度はそちらで楽しませてもらいたい。

 ところで、アイテムが全然揃わないのだが。特にBOMBは半分しか入手できない体たらく。恐らく合成で作るものもあるのだろうけど、組み合わせが多すぎて全然目星がつかない。最早情報待ちである。


氷室 万寿 |MAIL
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