雪さんすきすき日記
リサイクル戦術シミュレーション『リサイクルプリンセス』 倒れてもその場で復活するリサイクルSLG。全力で応援中!
DiaryINDEXpastwill
「ときのあくま」攻略はこちら  「東方戰騎譚」エキスパート攻略はこちら  考察のようなものはこちら
自己紹介はこちら  リプレイはこちら  動画はこちら(完成版体験版)  Twitterはこちら


2019年04月02日(火) 続・「夢階段」のこと

 「秘封ナイトメアダイアリー」悪夢土曜4面クリア。魔理沙のレーザーは相変わらず当たり判定が大きくて、誘導してから接近するのが大変だった。

 「夢階段」(紫蘇の葉)の感想を。
 夢から覚めるために夢の階段をひたすら登る一次元RPG。
 操作は前進、後退、アイテム使用、ダッシュ、扉を開ける。階段を登っていくと敵が前後から出現し、自機が移動やアイテム使用など何かしらの動作をすると敵も1ターン行動する。そして、敵と隣接した状態で敵に体当たりすると敵を攻撃する。また、敵と隣接した状態でダッシュを押しながら敵に体当たりすることですれ違い、自機と敵の位置を入れ替えることができる。
 アイテムは単体(物によっては範囲)攻撃の包丁、包丁よりも広範囲攻撃の本、体力回復や一時的強化等のマカロン、能力強化の宝石があり、合計8つまで持ち運ぶことができる。また、10段ごとに扉があり、開けることで様々な効果が得られる。効果には全体攻撃や残機増加などがあるが、10段下がるといった悪い効果もある。
 残機制で、敵の攻撃を受けて体力が無くなると残機が1減ってその場から再開する。残機が無くなると最初からやりなおし。

 前後にしか移動できない以外はローグライク的な要素が強いRPG。前後から押し寄せる敵を、ランダムに出現するアイテムや扉の効果を活用しながら倒し、時には避けてひたすら階段を登っていく。基本的に敵の物量が多いので、まともに倒そうとしても多勢に無勢で立ち往生してしまうが、ここで役立つのが敵とすれ違うという操作。すれ違いは被ダメージは避けられないものの、敵を倒さずとも上に登ることができるようになっている。このすれ違いという操作のおかげで一次元でのローグライクが成立しており、非常に秀逸な発想といえる。さらに、アイテムの中には数マス先までジャンプという効果のものがあり、すれ違いと合わせて活用することで敵を置き去りにして先に進めることができる。これより、適度に敵を倒して体力を増やしつつ、隙あらばどんどん上に登っていくという緩急のついた展開が楽しめるのがこの作品の特徴のように感じられた。
 それなら敵とすれ違いを続ければ延々と上に登っていけるのだが、ここでまた秀逸なのが敵の変化という要素。敵が一定ターン数画面内に存在すると徐々に変化をしていき、最終的にはユメクイという敵になる。ユメクイは1ターンごとに自機との距離にかかわらず残機を吸い取り、残機が無くなると体力を吸い取り、終いには最初からやり直しとなる、事実上の詰みともいえる敵。なので、プレイヤーはこのカオナシを出現させないように画面内に居続ける敵を倒すか、もしくは敵を画面外に追いやるように移動しなければならない。逃げの戦法を封じたこの要素は、なにしろカオナシが出たらお終いなのでそれを防ぐための立ち回りを要求され、ゲーム内容に適度な緊張感を与えてくれる。また、敵自体も1ターンで2回行動や特殊能力を持ったものが多数登場するので、戦闘時の立ち回りを敵に応じて都度考える必要があるのは正しくローグライクならではといえる。
 舞台が夢の中なので、背景や音楽も幻想的だったり前衛的だったりがランダムに変化して、夢の中という不条理な空間を時には楽しく、時には美しく演出してくれるのも大きな見所。個人的にとてもお気に入りなのが星空を背景に流れる美しいピアノソロ。夢の階段を登るという幻想的な雰囲気を格別に盛り上げてくれて、一連の演出の中でも群を抜いている。
 難易度については、最初の難易度であるこどものゆめはともかく、次の難易度のおとなのゆめから手加減なしといった感じで、その容赦のない調整から製作者がローグライクを相当やりこんでいることが容易に推測できる。なので、おとなのゆめをクリアできたときは非常に嬉しかった。しかし、さらに上の難易度であるあくむまでいくと、最早私の手には負えないとクリアを諦めざるを得なかった。

 すれ違いという操作を導入することで一次元のマップでローグライクを成立させた秀逸な発想と、夢の階段をひたすら登るという幻想的な雰囲気で、独自性の高い面白さを味わうことができた。これだから同人ゲームをプレイするのは止められないと思わせるのに十分な魅力を持つ作品であった。


氷室 万寿 |MAIL
DiaryINDEXpastwill