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2019年02月24日(日) 「チョップリフターHD」のこと

 9時半頃起床。午前中に散髪を済ます。すっきり。
 カメラのクレジットの審査が通ったので、いつ届くか楽しみ。一方で、カメラを持ち運ぶためのバッグや予備の電池、SDカードなど、様々な物が追加で必要になることに気づいてしまった。しばらく出費が止まら無さそうである。

 「チョップリフターHD」(inXile Entertainment)の感想を。
 武装ヘリを操縦して敵地に取り残された人々を救出するSTG。1982年にブローダーバンドから発売された大ヒット作「チョップリフター」のリメイクである。
 操作は移動、照準の操作、機銃、誘導ミサイル、方向転換、加速。照準を動かすと射線が表示され、機銃はその付近にいる敵を攻撃する。また、射線に触れた敵はロックオンされて、誘導ミサイルはそこに向かって飛んでいく。また、ヘリは右、左、正面の三方向に向きを変更できて、それぞれ攻撃の向きが変化する。正面を向いているときは、画面手前にいる敵を攻撃できるようになる。加速は燃料を消費して高速で移動するが、直線的な移動だけでなく急停止や急旋回にも使える。
 ゲームの展開は、味方の基地から出発して敵地の奥へと切り込み、要救助者の付近に着陸。すると、要救助者がヘリに乗り込むので、基地に戻って救助をする。これを、要救助者がいなくなるまで繰り返す。基本は要救助者の救出だが、任務によっては敵施設に工作員を送り込んだり、ヘリで直接敵施設を破壊するといった目的も加わる。
 ヘリには耐久力があり、攻撃を受けると減少する。耐久力は基地に戻れば回復するが、無くなるとヘリが破壊されてゲームオーバー。また、燃料も搭載しており、こちらは時間や加速で減少する。燃料も基地や給油施設で補給できるが、無くなると行動不能になりゲームオーバー。

 原作の「チョップリフター」に今風の要素を上手に取り入れて、とても緊迫感のあるアレンジに仕上がっている。
 先ずは時間制限。一応、各面ごとに制限時間が設定されているが、こちらはスコアに関係するものであり、過ぎても問題は無い。とはいえ、設定されている以上はその時間内にクリアしたくなるのがゲーマーの性というものであろう。一方、実質的な時間制限になっているのはヘリの燃料である。燃料は時間が経過すると減少するが、加速により大きく減少するのが重要な点。そして、もう1つの時間制限が負傷した要救助者。こちらは時間内に基地に送り届けないと死亡してしまう。なので、制限時間内に要救助者を1人も死亡させることなく救出するには、手際の良い操作もさることながらどうしても加速に頼ることになる。ただし、加速は使いすぎると燃料が足りなくなって基地まで到達できないという諸刃の剣である。この、残りの燃料を気にしながら加速を限界まで使って要救助者を1秒でも早く搬送するという切迫した状況が、とても良い緊迫感を生み出している。特に、燃料が少なくなって警告が鳴り響く中で、基地に届くことを祈るような気持ちで飛ぶときの焦燥感は格別である。

 また、敵の配置もとてもよく練られている。前述のとおり、制限時間の存在下で救出活用を行わなければならないわけだが、敵の配置がそれを徹底的に邪魔しようという意思に溢れており、少しでも早く進みたいプレイヤーの焦燥感をより一層高めてくれる。特に秀逸なのがRPGを撃ってくる敵の配置。単体では先手を打てば問題無いが、高射砲や迫撃砲といったヘリを足止めするような兵器と組み合わさることで、止まっているところを狙い撃ちされて一気に脅威が増す。また、RPG自体の攻撃力が高く、振り切るには加速して燃料も使わされるので、とにかく厄介な敵の最たるものである。着陸した途端にRPG兵が登場したりすると、無視できないので救助を後回しにしてRPG兵を対処せざるを得なくなり、これまた焦燥感が募るところが本当に良く出来ていると感心せざるを得なかった。
 もう1つ存在感の大きな敵として戦闘機が挙げられる。轟音と共に登場して大量のミサイルをヘリめがけて発射し、高速で離脱していくのだが、ヘリ程度の機動力では戦闘機を撃墜できるわけがなく(できたとしても極めて難易度は高いと思われる)、ただひたすらミサイルを避けるしかない。ミサイルをやり過ごすために足止めされるのはもちろん、ミサイルの攻撃力はRPG以上に高く、戦闘機が飛来する音が聞こえただけで思わず身構えてしまうほどの脅威である。で、これまた登場する場面がよく練られており、ミサイルを避けようと高度を下げた途端に戦車が前方にいて狙い撃ちされたり、迫撃砲の隙間にいるときに飛来してきたりと、プレイヤーを苦しめようという意図が清々しいほどに表れていた。
 というわけで、時間制限に敵の配置の絶妙さが加わり、緊迫感により一層の拍車がかかる見事な調整であった。

 ヘリは小型ヘリ、輸送ヘリ、攻撃ヘリと作戦によって3種類用意されており、それぞれの性能に適応した任務が用意されている。ここで、任務の内容は救助一辺倒ではなく、いい按配の間隔で攻撃任務を挟んで単調にならないように工夫してあるところが好印象であった。あと、敵に何故か時折ゾンビが登場するのが、いかにも海外の作品らしいと思ったところ。ただし、このゾンビもヘリに突撃してはローターに巻き込まれて細切れになるだけの無力な存在ではなく、要救助者を襲って死亡させる役割があり、これまた救助の緊迫感を高める要素としてちゃんと活用されているのが流石である。

 UE4による演出効果もまた、緊迫感を高めるのに寄与している。訓練の時点では気軽にプレイしていたのが、実戦に入った途端に背景が赤茶けた大地に朽ち果てた建物が並ぶ荒廃した風景に変わり、その後ろでは戦闘機の飛来する音や爆音が鳴り響き、雰囲気が一転して張り詰めた空気に変わったのは衝撃的であり、作品に対して襟を正した次第である。

 全面要救助者を1人も死亡させることなく制限時間内にクリアして、最高評価も得ることができた。また、実績も全て達成。原作の「チョップリフター」のシステムを上手に今風のゲームに昇華させた、とても良いアレンジであった。

 ところで、バンゲリング帝国三部作のうち、「チョップリフター」と「ロードランナー」はSteamでアレンジが配信されているのだが、「バンゲリングベイ」だけが見当たらない。「バンゲリングベイ」は当時は斬新すぎて受け入れられなかったが、今なら面白いアレンジに仕上げられそうだが。


氷室 万寿 |MAIL
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