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2018年06月18日(月) 「Teleportals」のこと

 朝の通勤時に大阪で大きな地震があったことをカーラジオで知る。東日本大震災を例に出すまでもなく、地震というのはいつ来るか分からないから恐ろしい。

 昨日は「Teleportals」(PixelGreeds)をクリアしたので感想を。
 奇妙な世界に迷い込んだ主人公が、謎の目玉の能力を使ってこの世界からの脱出を目指す2Dパズルアクション。
 操作は移動、ジャンプ、テレポーターの設置および起動。テレポーターは一度押すとその場に設置し、もう一度押すとその場所に瞬間移動する。このテレポーターを活用してパズルを解いていく。先の面では、テレポーターを2つ扱うことができるようになる。
 主な仕掛けは、壁が消えるスイッチ、スイッチを押すと一定時間消えるレーザー、砲台、飛び跳ねることのできる床、移動する足場など。敵弾や障害物に触れるとミスとなる。

 非常によく練られたパズルゲームで、一気にクリアまでプレイするほどのめり込んでしまった。テレポーターという仕掛けは割と一般的かもしれないが、それをパズルとアクションの両面で活用させる面構成がとにかく秀逸であった。
 テレポーターが1つのときは一方通行で行動も制限されるが、2つになると2箇所を行き来することができるようになって、例えばスイッチと通路を行き来してレーザーで何重にも阻まれた通路を進んだり、主人公が行けないような場所にテレポーターを送り込んで移動した後にスイッチを操作して外に出るといった感じにパズルの幅も格段に広がる。そして、テレポーターが2つになってからが本番とばかりに障害物の配置も一層複雑になり、製作者との知恵比べがより一層楽しくなっていった。
 後半になると、消えたレーザーが現れるまでの制限時間内に主人公を的確に操作するような仕掛けが主体となり、アクション要素の占める割合が高くなっていった。特に限られた時間で2つのテレポーターを正確に操作するのは混乱して大変であったが、それがまたこの作品ならではの操作で面白くもあった。

 この作品をプレイして感心した点が2つ。1つは瞬間移動が攻撃に使えること。敵に重なるように瞬間移動をすると、その敵を倒すことができるのである。この手のパズルゲームでは敵の攻撃を受け続ける一方で鬱憤が溜まることがあるが、それを見事に晴らしてくれるシステムとなっている。ただし、攻撃できない場所に位置する敵や、倒してしまうとクリアできない敵など、攻撃一辺倒で済ませないようにちゃんと調整されているところはさすが抜け目がない。
 もう1つは、テレポーターの特性をあえて説明しないこと。目玉のテレポーターは狭い場所を移動する足場に押されて通り抜けたり、飛び跳ねる床で主人公より高く跳ねたりすることができる。もう1つの箱型のテレポーターは敵弾を防ぐ盾になったり足場にすることができる。これらの特性はゲーム中では一切説明されることが無いが、プレイしていてそれらの特性があるはずだと自然と発想が導かれる面構成になっており、理不尽さを感じさせることなく新たな発見への喜びを見出すことができた。これには大いに感心させられた。

 道中は主人公と目玉との会話で物語が進むのだが、英語なので半分くらいしか読み取ることができなかった。そして、会話の内容も映画の話だったり人間性の話だったりといろいろと話題が移ってほとんど理解できなかったが、「Yissa」のようなどこか哲学めいた物語のように感じられた。結局主人公がこの世界に迷い込んだ理由も、最後の選択も謎のままである。が、物語は理解できなくてもゲームは面白かったので全く問題ない。

 そして、この作品が100円で入手できるということには驚くしかない。100円でここまで楽しませてもらっていいのか、逆に不安になるほどの面数と手応えで、どう考えても価格と内容が釣り合ってない。何故このような価格設定にしたのか不思議だが、何かしらの製作者の意図があるのであろう。
 あと、面クリアで得られるポイントを消費してスリングショットの水着の絵が見られるのだが、これも完全に製作者の趣味であろう。

 5時間弱で全面クリア。エンディングの後には「Yissa」同様挑戦的な難易度の面が用意されており、真のエンディングに至る最後の最後まで楽しめた。完成度の高いパズルとアクションに頭と指先を駆使する濃密な時間を過ごすことができて、大きな達成感と高い満足度を得られた作品であった。


氷室 万寿 |MAIL
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