雪さんすきすき日記
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2018年03月10日(土) 続^3・「ELMIA」のこと

 13時頃起床。お昼ご飯にしゃぶしゃぶ食べ放題に行くという豪遊っぷり。

 「ELMIA」(AECRNIA)の感想を。
 森に住む妖精「エル」と少女「ミア」の2人が主人公の2Dアクションゲーム。森の奥から溢れ出てきた瘴気のせいで倒れてしまった村の人々を救うために、小さな少女達が大きな冒険へと向かう。
 操作はアナログパッドで、右スティックでエルを、左スティックでミアを同時に動かす。エルはミアから一定の範囲内を移動することができて、Rボタンを押すとエルのいる位置にミアがワープする。ワープはエルの移動できる場所なら上下左右どこでも可能で空中でも移動できる他、障害物もすり抜けることができる。このワープを活用して地形や障害を乗り越えて先に進み、その面の最後まで到達するのがゲームの目的となる(ボス戦ではボスを倒すとクリアとなる)。ただし、ワープをするにはゲージを消費する。このゲージは時間経過か、ワープヒールというアイテムを取ることで回復する。
 エルはミアのワープ先になるだけでなく、敵に攻撃したり、仕掛けを作動させることができる。一方のミアは、ワープヒールやライフヒールなどのアイテムを取ることができる。また、エルは無敵だが、ミアは敵やダメージを受ける地形、障害物に触れると体力が減少する。体力が無くなるとミスとなり、その面の最初から再開する。また、水中で空気が無くなってもミスとなる。

 ワープによる移動により独特の浮遊感を楽しめる作品。地面を歩いて進むよりもワープして進む方が遥かに速く、ワープが移動手段の中心となるが、縦横無尽に飛び回れる快適で自由度の高い浮遊感を一度でも味わえば、わざわざ地面を歩いて進もうなどと思わなくなるはず。それに、中盤以降は足場らしい足場も乏しくなり、ほとんど空中を移動して進むことになり、否応なくこの浮遊感を堪能できるようになっている。また、ワープはゲージを消費するので連続して行えないが、道中に多数配置してあるワープヒールを辿るように動けば連続してワープができて流れるような動きができる。これが、ワープヒールを取ったときの透き通るような綺麗な効果音と併せて、ワープして移動する楽しさを大いに盛り上げてくれた。このようにワープの魅力を引き立てるようにきちんと配慮をしてあるのがとても印象深かった。あと、2人を同時に操作するのは混乱しそうにも思えたが、実際にプレイしてみるとエルの操作がほとんどでミアの操作はワープ後の位置を調整する程度であり、思ったよりも簡単であった。

 空中を自在に移動できる一方で、それを阻害する障害もゲームだから当然あるわけで、それは主には敵と障害物になる。敵は一定範囲を動くものと、拠点から湧き出るものがある。ただ、敵を倒す利点はあまり無いので、必要以上に倒すことは無い。障害物は棘の山や棘だらけの蔦や鉄球など、見た目からしていかにも触ると痛そうなもので、静止しているものもあれば動いているものもある。これらの障害に加えて、一定時間内に呼吸しないと空気が無くなりミスになる水中や、強制的に移動させられる気流が加わる。
 難易度は、序盤こそこれらの敵や障害物の密度も低く快適な浮遊感を楽しめるが、中盤になると障害物の密度がそこそこ高くなる上に気流が加わって手応えが出始めてくる。そして、終盤は気流の影響下で障害物に挟まれた狭い通路を抜けたり、敵の拠点と鉄球が大量に配置された中を敵に追い回されながら鉄球を避けて抜けたりと、序盤の牧歌的な雰囲気などどこへやら。止まる暇を与えられない中でエルとミアを的確に操作して移動しなければならず、プレイヤーの操作技量を大きく問われる羽目になる。さらに難易度を高めているのが敵の動く速度が毎回ランダムに決まるという要素で、動きが完全にパターン化できないことで臨機応変な対応も要求される。序盤で高を括ると終盤で泣きを見る難易度調整で、攻略のし甲斐は十分であった。

 冒険は森から始まり湖を抜けて空高く舞い上がり、廃墟と化した空中都市を探検するという、小さな少女達にはとても大きな内容で、変化に富んだ面構成が楽しめる。そして、この冒険を描くのが淡い幻想的なグラフィックと落ち着いた美しい旋律の楽曲で、公式で謳っている絵本のような世界観を構築している。この幻想的な世界観も作品の大きな魅力である。特に、楽曲は印象的な旋律が多くて耳に心地よい名曲揃い。印象に残っているのはタイトル曲で、起動する度にこのゲームに戻ってきたことに安堵して心が軽くなったものである。
 また、ミアの容姿が猫耳フードにだぼだぼ袖と私に刺さる要素が多く、愛らしい動きにも癒されたことは、この作品をプレイする大きな原動力の1つになった。木の桶をかぶって前が見えないまま手探りで歩く様子は実に可愛らしかった(本人は災難であったが)。

 不満点もいくつか。
 まず、ワープヒールを取った時の演出効果が眩しすぎて、視認性が低下する場面があったこと。特に、動く鉄球が多数配置されている中でワープヒールを取ってしまうと、鉄球を見失ってしまい致命的であった。
 あと、左右方向の視界は広いのだが、上下方向の視界が狭く、障害物を把握しにくかったのも大きな不満点。動く鉄球の中を上に登る場面では先が全然見通せず、きちんと攻略できずに場当たり的な対応を強いられたのがとても残念であった。
 気流の向きが分かりにくいのも鬱憤が溜まる要因となった。正直、気流は一度流されてみないとどの向きに動くのか把握できなかった。
 そして、これは環境によるところもあるかもしれないが、Rボタンを押してもワープしない状況がかなりの頻度で発生した。これも、厳密な操作を要求される終盤では致命的となることが多く、これのせいでミスをしたときはげんなりさせられた。とはいえ、それを乗り越えてプレイさせるだけの魅力がこの作品にあったのもまた事実ではある。

 ところで、この作品には異なるゲームモードが用意されている。標準的な難易度のノーマルモード、エルが画面の中央に位置するフェアリーモード、ダメージを受けた後の無敵時間が無くなるハードモード、体力が1しか無いワンライフモード、ワープゲージがほぼ減らなくなるインフィニティモードである。この中で特異だったのがやはりワンライフモード。それまでは体力任せで強硬突破できていた場所がことごとく通用しなくなり、途端に本来の脅威を示してプレイヤーに牙をむく障害の数々にこの作品の本当の姿を見せられたような気がして、とても刺激的な内容であった。
 8-3の動く鉄球の中を縦に登る場面は前述の視界が悪いせいで運が大きく絡み、ここで折れそうになったが、このモードは「弾幕アマノジャク」の究極反則生命体狙いと同じだということに気づいた。つまり、ここを抜けるには運が前提だが、その運を掴んだときに活かせる腕前も鍛えておかなければならない。これに気づいてから俄然挑戦意欲が湧き、2日かけてこの場面を遂にクリアすることができた。もう一か所詰まったのは8-5の最後の場面であったが、ここは他のモードで撮った動画を活用して攻略することができた。どちらの場面も少しでも止まることを許されず、この作品で最も緊張感に溢れる操作を要求されたのは、クリアできた今となっては楽しい思い出である。ただ、やはりあまりにも過酷な難易度なので、気楽にこの作品をプレイした人には決して勧めることはできない。
 ワンライフモードの後にそれより遥かに簡単なインフィニティモードを持ってきたのは、ワンライフモードをクリアするまで頑張ったプレイヤーへのご褒美であろう。

 ワープでの浮遊感がやはりこの作品ならではと思わせる独自性の高い要素で、とても新鮮味が強かった。幻想的な世界観と演出も大きな魅力を放っており、システムと演出両方の面で大いに楽しませてもらえた作品であった。
 また、ワンライフモードをクリアできてアクションゲームに対する自信につながったのも、この作品をプレイして良かったと思わせる点であった。

 ところで、10万回ワープの実績は本当に取れるのであろうか。まずまともにプレイしていたら無理だと思うのだが…。

 そして、「ELMIA」の世界観に和んだ後に次回作がこれと知って、目が点になった。


氷室 万寿 |MAIL
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