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2017年10月09日(月) 「マヨナカ・ガラン」のこと

 9時半頃起床。昨日一昨日と寝すぎて腰が痛い。体はまだ寝ていたいのに、腰の痛みで目が覚める始末。

 「マヨナカ・ガラン」(CAVY HOUSE)の感想を。
 CAVY HOUSEでの作品ではお馴染みの橘はももるが、今度は村の郷土史を編集して欲しいと依頼を受け、大臼(だいうす)村に赴く。隠れキリシタンの村だったというそこでは、信仰が独自の解釈で変化しており、聖人信仰が広まっていた。奇跡を起こす聖人の再来に人々は憧れ、そしてある晩聖人が現れた。
 3Dアニメーションで描かれたVN。プレイヤーは主人公はももるの付き人となり、彼女と共に村の中を行動する。操作はマウスで行い、村の中で行きたい場所をクリックするとそこに行き、村人達と会話をして情報を得ながら物語が進行していく。

 最初に目を惹いたのが、独特な演出効果。主要キャラクターはモデリングがされているのだが、それ以外の脇役は皆同じような風貌で、さらに服装が透過してタイトル画面が映りこんでいる。タイトル画面自体が奇妙な絵柄で、その端々がプレイ中に見え隠れするのが、物語の不穏さを引き出しているという印象を受けた。しかも、その映りこみにもちゃんと意味が持たせてあり、それに気づいたらこの村の人々の振る舞いがまるで変って見えるようになった。この仕掛けにはひたすら感心させられた。
 また、VR対応というのもこの作品の最大の特長の1つだが、残念ながらVR機器を持っていないのでそれは体験できず。ただ、以前試遊させてもらったときは、その空間の広がりに思わず声を上げるほどの感銘を受けた。機会があれば是非ともプレイしてみたいものである。
 物語は、最初は村おこしのための郷土史編集が目的だったが、聖人の再来によりその目的が狂い始め、次第に日常が崩壊していくという、当初の前向きな展開はどこへやらという不気味な展開に。さらに、村の歴史も調べていくとその暗部が見えてきて、昔話の解釈も生臭いものに豹変していくところにうすら寒さを感じた。そうして迎えた物語の結末にはただただ唖然。これはもうオカルトサスペンスを超えてホラーではないかと個人的に思った次第である。
 今作ではフルボイスによる演出もなされている。声を聴いてまず最初に感じたのは、はももるがあの声で食いしん坊キャラというのはずるいということ。それ以外は配役も演技も上手くて、割と声に関しては無頓着な私も、この作品の声にはしっかりと聞き入る必要性と魅力を感じられた。

 村人達の演出の仕掛けを理解してからもう一度プレイすると、1周目では謎に思えた細かい仕草にも納得がいくところに、作り込みの細かさと丁寧さを感じさせられて、さらなる面白さがあった。
 ただ、今作は「マヨナカ・マヨヒガ」のときのような分岐は無く、物語の結末は変わらなかった。やや釈然としないところもあるが、ある意味メリーバッドエンドなのであろうとここは自分を納得させる。


氷室 万寿 |MAIL
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