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2016年10月22日(土) 続々・「さとりのアトリエ2」のこと

 8時頃起床。

 PCが安定しているって素晴らしい。

 「さとりのアトリエ2」(コココソフト)の感想を。
 前作でアリスの協力を得て一躍幻想郷の人気者になったさとりさんだったが、アリスの罠により全てを奪われた衝撃で引き籠りになってしまう。1年振りに復帰したさとりさんは幻想郷が暴力が支配する世界に変わっていたことを知り、この機に乗じてアリスに復讐を誓う。が、何をするにも先ずはお金ということで、再度お店経営に乗り出すこととなった。

 経営SLG+タワーディフェンスという異色の東方二次創作ゲームで、前作「さとりのアトリエ」の続編。内容はほぼ同じで、お店を経営してお金を稼ぎ、仲間を増やしてお店の規模と幻想郷での勢力を拡大するのが目的。
 SLGモードは、素材を調達→商品を開発→商品を生産→販売という一般的な経営活動により収益を上げるために、9つの部門に人員を配置する。部門のうち料理、生産、輸送、仕入、開発の5部門がSLGモードで活躍する部門で、人員を配置すればあとは自動的に素材調達や商品生産などそれら部門の活動を行う。キャラにも9つの部門それぞれに対応した能力やコストが設定されており、その能力に応じて成果を上げる。また、調達した資金を投資して、各部門やキャラの育成を行い、経営能力の底上げを図るのもこのモードである。
 TDモードは、接客、防犯、清掃、指揮の4部門のキャラをタワーディフェンスのように配置して、画面左から右に向かう客や盗人、お店中央付近に発生する毛玉といった敵を倒して商品を販売し、資金や経験値を稼ぐ。配置をしたら敵への攻撃はあとは自動で行い、接客は客、防犯は盗人、清掃は毛玉、指揮は味方全体に有効なスキルを使用することでより効果的に攻撃ができる。客や盗人を倒しきれずに画面右端まで到達してしまうと、資金や店の評判が低下する。毛玉は倒さないといつまでも画面内に残り、キャラが攻撃され続けてしまう。また、人材の雇用や店舗の改装(部門に配置できる人員の拡大)、素材調達の選択や調達先の買収もこのモードで行い、その結果がSLGモードに反映される。資金が不足しているときは、阿求から融資も受けられることができる。
 TDモードは1つの面がいくつかのターンに区切られており、ターンが終わる度に費用と売り上げ、阿求の顧問料から収支の清算が行われる。このときに借金があっても利子を徴収されるだけだが、資金自体が不足するとゲームオーバー。また、面の最後にクリア条件(特定の人員の雇用や施設の買収)を満たしていないと、やはりゲームオーバー。

 経営SLG+タワーディフェンスという異色ながら前作で高い完成度を誇ったシステムを継承した作品であり、その時点でまず面白くないわけが無い。今回は、序盤での料理や生産部門の働きが特に悪くて中々商品を生産せず、生産する商品の選択と集中がより強く求められて、それに気づかないうちは販売する商品が無くて機会損失を出しまくるというのを繰り返してしまった。といっても、キャラの能力が高くなればSLGモードで効果な商品を作りまくってTDモードで荒稼ぎという流れは前作どおり。敵をがんがん倒してアイテムが大量にばらまかれ、それを回収して資金が凄い勢いで増えていく一連の流れを見るのは、単純に気持ちが良い。また、各ターンの際に雇用や買収に用いた資金を費用として計上して顧問料を抑えることができるなど、より投資がしやすくなっていた辺り、お金の勉強をしていたのでなるほどと思ったり。

 そして、前作では攻撃方法は体当たりのみであったが、今作では飛び道具が追加された。遠距離から攻撃できるようになったのを主要な変更点でないと高を括っていたが、これが今作の最大の見せ所であった。遠距離攻撃は、キャラが弱いうちは針状の細いショットのみで随分と地味なのだが、キャラが強化されると火や氷、風といった属性魔法並の協力な攻撃が使用できるようになる。そして、それに伴い視覚的演出も派手に変化。ここで、TDモードに設置できるキャラは10人以上(出店コストの上限まで)であり、それら全員にこの強化された飛び道具を使用させると、至るところで火炎放射や岩石落としを始めとし、水に氷に星に光に闇にとあらゆる攻撃が飛び交い、その光景を表現するならば阿鼻叫喚とも地獄絵図とも。ここでようやくこの作品の副題である「アリスvs怒りのデス弾幕接待」の意味を知ることとなった。ひたすら続く暴力的な光景を呆然と見ながら、派手な演出効果を単純に、しかし大量に加算することの恐ろしさを実感させられた次第である。
 それ以外にも全体補助のシステムがいくつか加えられていたが、画面全体を覆う禁断のマップ兵器を何回も撃ち込まれて減り続ける資材に肝を冷やしたり、それをこちらが使えるようになって撃ち合いになったりと、こちらもこのシステムでこれはやりすぎだろうという阿鼻叫喚な光景が繰り広げられたのが面白すぎた。
 既存のシステムによる続編だからと正直甘く見ていたところもあったので、このような阿鼻叫喚を見せつけられたときの衝撃は一入であった。こういう驚きがゲームから得られるのは楽しく、そして何より嬉しいものがある。

 また、実績に素材に商品に能力と、前作並にやり込み要素も健在で、これを埋めていくのが今から楽しみで仕方ない。今回はかなりゆっくりプレイしていたので、初回クリアまでに実績が75/96とおよそ3/4達成してしまったが、それでも雇用も施設も不明なものが多く、未開発の商品もあり、やることはまだまだたくさんある。それにしても、今回も商品や素材1つ1つに説明がつけられていることには、本当に感服である。
 物語は、今回もまるで実家のような安心感が得られるえげつなさ。とはいえ、慣れたからといって面白くないわけではなく、マンネリと変化の塩梅に職人芸を感じる。

 システムの面白さは前作の安定感を残しつつも、呆然とさせられるほどの演出面での進化というかもはや超越振りがとにかく面白すぎた。コココソフトの作品は、とにかくやりすぎなことが大きな特徴の1つだと思っているが、その実力を今作でも十分に思い知らされた感である。

 それにしても、マニュアル代わりに前作を同梱するとは、なんと豪気な。まあ、システムを理解しながら進める作品なので、それが一番手っ取り早いのだが。


氷室 万寿 |MAIL
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