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2016年05月16日(月) 「ZANGEKI WARP」のこと

 新作に着手する度に攻略が延び延びになっている「ZANGEKI WARP」だが、ここにきて時間的に厳しくなってきたので、涙を飲んで切り上げることにした。

 というわけで、最後に「ZANGEKI WARP」(ASTRO PORT)の感想を。
 時間を止めて空間を切り裂く、独特の攻撃手段が特徴の横STG。
 自機の攻撃手段はショットと斬撃ワープの2種類。ショットは通常のSTGと同じだが、斬撃ワープは独自性の高い攻撃である。まず、ワープボタンを押した瞬間から全ての時間が全て停止し、カーソルのみが操作可能となる。そして、ワープボタンを離すと自機はあらゆる物質をすり抜けてカーソルの位置に瞬間移動し、さらに移動前と移動後の直線上に攻撃判定が生じる。この一連の流れが斬撃ワープであり、同サークルの既作である「魔女ボーグメグリロ」のトキトメワープをさらに進化させたシステムである。なお、斬撃を使用するとエネルギーを消費するが、エネルギーは時間で回復する。
 この斬撃を活用して道中の罠を突破し、面の最後にいるボスを倒すと面クリア。被弾や敵および地形に接触するとミスとなり、残機が全て無くなるとゲームオーバー。なお、ミスした際には戻り復活となる。
 ゲーム開始時と面クリア後には自機の強化に用いるポイントが与えられ、これを各強化項目に割り振って自機を強化する。強化項目は、ショットや斬撃ワープの攻撃力の強化、エネルギーやシールドの回復速度上昇、次元衝撃波(瞬間移動後の自機の周囲に衝撃波を発生)の強化、デコイ(瞬間移動前の位置に囮を発生)、オメガクラッシュ(シールド被弾時の全体攻撃)。全ての項目にポイントを割り振ることはできないので、強化の方向性を決めて配分する必要がある。

 まず、斬撃ワープの独創性の高さに感服。時間を止めて好きな場所に移動可能で、さらに攻撃判定まであるということで、いくら弾に囲まれようが敵の後ろに回り込めば即逆転。STGの自機としてはほぼ無敵ともいえる能力である。そんな反則的な性能ではゲームにならないところだが、この作品はこの能力に対抗すべくこれまたSTGとしては反則的な仕掛けが趣向を凝らして立ちはだかる。そもそも、行き止まりがごく普通に仕掛けとして登場するのはSTGとして常軌を逸している。もちろん、そんな仕掛けがふんだんに使えるのも、同じく常軌を逸した斬撃ワープというシステムがあってこそ。斬新で強力な攻撃システムと、それに対抗するSTGの常識を覆す仕掛けで、新鮮な刺激に満ちたゲーム展開は驚きの連続であった。
 そして、ボス戦がまたこのシステムならではの戦闘を楽しませてもらえる。2面くらいまでは一般的なSTGの雰囲気を残してはいるが、そこから先はショットが当たらない位置に弱点があるボスが普通に登場してくる。そこをどう攻撃するかというと、斬撃ワープで弱点に接近して次元衝撃波を連打し、被弾する前に斬撃ワープで撤退という一撃離脱の戦法を取ることに。この戦法を取れるように開幕などにあえて隙が作られており、そこを見出して畳み掛けるときの緊迫感とボスが速攻で沈む小気味良さは、正にこのシステムならではの面白さ。長期戦になるとボスも攻撃手段を増やしてくるが、それを用意しておきながらあえて短期決戦をもちかけてくる製作者の心意気には感服である。

 そして、この作品もそうだがASTRO PORTの作品で常々秀逸だと思わされるのが難易度調整。低難易度で感じられた作品独自の面白い点は、上位難易度になるとより大きく楽しませてもらえる。徒に弾速や耐久力を上げてシステムの面白さを損ねるような難易度調整は数多く見てきたが、ASTRO PORTの作品にはそれがまるで見受けられない。どの作品も、難易度を上げるとシステムの面白さをさらに引き出すようにとても丁寧に調整されている。この作品も、上位難易度になると敵や地形の配置、ボスの行動パターンなど、とにかく多くの変更点が見受けられ、それがどれも難しくするだけでなくシステムを使いこなして楽しませるようになっている。普段はNORMALより上の難易度をプレイしない私が、ASTRO PORTの作品では進んで上位難易度に挑戦するのは、この難易度調整に対するある意味安心感を覚えているからである。ただ、今回は難易度をやや細分化しすぎた感は否めない。難易度HARDとINSANEの差がほとんど感じられなかった。ULTRAをINSANEにしても良かったのではなかろうか。

 思うに、「SATAZIUS」で見せた正統派地形STGの完成度の高さがあってこそ、このような変化球に富んだ作品をも創ることができたのであろう。横STGの何たるかを熟知している様が伺える。
 今作は残念ながら時間の都合でULTRAの通しでの全面ノーミスアイテム全取得は未達に終わってしまったが、通しでなければ全面ノーミスアイテム全取得は達成したので、それで良しとする。


氷室 万寿 |MAIL
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