雪さんすきすき日記
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2016年05月06日(金) 「Dungeons&Darkness」のこと

 7時半頃起床。今日は休みなのだが、連休明けからの仕事を円滑に始めるための下準備をしに会社へ。1時間半ほどで作業を終えて、その後つくばの西友に例大祭での差し入れのお菓子を買いに出かける。
 ここで、お菓子を買ってまっすぐ帰ればよかったものの、うっかり服を見に行ってしまったものだから、麻のジャケットを衝動買いしてしまった。かなりいい値段であったが、支払い日の前には賞与があるから大丈夫だと思いたい。

 それでは、「Dungeouns&Darkness」(闇討ちProject)の感想を。

 厄災が人々の心に影を落とす時代。世界に点在するダンジョンの奥底にその厄災の元凶があると噂され、冒険者達は平和を、名声を、富を求めて各々が探索に向かっていった。主人公もまた、平和を願いダンジョンを探索する者の一人であった。
 この作品は一人称視点のアクションRPG。様々なダンジョンを攻略するのが目的で、その過程でダンジョンが作られた経緯と自分の素性に関する謎が明らかになっていく。
 操作はFPS操作系。WASDで移動の、SHIFTかSPACEでダッシュ。マウスで視点移動をして、クリックで武器や盾の操作。Qでランタンの点灯と消灯を行い、特定の箇所はEで調べられる。Iでインベントリを開く。インベントリでは、装備の変更やスロットの設定、アイテムの使用や整理を行う。6つのスロットは数字の1-6に対応しており、スロットに設定した武器や魔法、アイテムを即座に使用することができる。敵に捕捉されている間はインベントリを開くことができず、アイテムや魔法はスロットに設定したものしか使用できない。
 主人公はダンジョンにより栄える街を拠点して活動を行う。酒場で仕事の依頼を受けることでクエストが発生し、ダンジョンに潜ってクエストクリア条件を達成すると報酬と共に新しい依頼が発生するのがゲームの流れである。クエストにはメインクエストとサブクエストがあり、そのダンジョンでの最後のメインクエストではボス戦が発生する。ボス戦に勝利すると、次のダンジョンを探索することができるようになる。ダンジョン内で手に入れた蒐集品は蒐集家に売却することでお金となり、報酬や蒐集品の売却で入手したお金は、道具屋でアイテムや調度品を購入するのに使用する。
 ダンジョン内では様々なモンスターが生息しており、主人公は剣や魔法を使ってそれらを倒していく。剣を振るのとダッシュはスタミナを消費し、スタミナが無くなるとそれらの行動が不可能となる。スタミナはそれらの操作をしないと一定時間で回復するが、所持品の重量が容量以上になると回復速度が遅くなるという制裁が課せられる。魔法は溜め攻撃で、詠唱時間中は移動速度が極端に低下するが、遠距離からの攻撃が可能。さらに、魔法によっては複数の敵を一度に攻撃することもできる。敵の攻撃を受けたり罠への接触により主人公の体力は減少し、クエストのクリア条件を達成する前に体力が無くなると戦闘不能となる。戦闘不能になった場合、蒐集品がその場所に置き去りになるというデスペナルティが課せられる。
 ダンジョン内に落ちている宝箱からは、蒐集品以外に武器や防具がランダムで入手できる。道具屋では武器や防具は販売していないので、装備を強化する手段は宝箱からの調達のみとなっている。武器の種類は剣、斧、槍、弓で、剣と斧には片手武器と両手武器があり(槍と弓は両手武器)、片手武器では盾が、弓を除く両手武器では2種類の攻撃がそれぞれ使用可能となる。また、敵が攻撃するときに盾を構えて体当たりすることでシールドバッシュとなり、敵を短時間気絶させることができる。ただし、盾には耐久力があり、それが無くなると盾が一定時間使用不可能となる。弓は遠距離攻撃が可能だが矢を消費し、その矢もダンジョン内でしか調達できない。なお、魔法はレベルアップに伴い増えていく。
 ダンジョンでは、依頼された仕事とは別に、様々な謎が用意されている。その謎を解くと、道具屋では扱っていない調度品が入手できる。調度品は主人公が宿泊している宿の部屋に置くことで、能力を強化する効果がある。

 生い立ちが謎に包まれたダンジョン、徘徊する凶悪なモンスター、剣と魔法による戦い、謎と宝箱と罠、残された意味深な文章。これぞ正統派ダンジョンアタックという要素が満載で、製作者の想いと意気込みがこれでもかと伝わってくる内容であった。
 ダンジョンの構造材やモンスターなどのグラフィックの美しさは、さすがに商業作品の水準とまではいかないものの、個人製作とはとても思えないほど高品位で、暗闇に浮き上がる照明や月明かりに照らされた石造りの回廊など幻想的な光景に息を呑むことも多々あり、高い臨場感が味わえた。おかげで、フルスクリーンでプレイしたときの没入感もまた高く、プレイ中は完全に剣と魔法の世界にのめり込んでいた。ただ、やはりそれなりのPCの能力は必要とするようで、画質を最上位のFantasticにしたら終盤のダンジョンで激しいコマ落ちが発生してしまい、一段落とさざるを得なかった。とはいえ、使用しているVGAがGeForce660Tiと古いせいもあり、このような同人ゲームに対応するためにも更新をしなければと思わされた次第である。
 戦闘は基本的に剣と魔法のみで独特のシステムがあるわけでもなく、一人称視点のアクションRPGでは簡素な方ではあるかと。ダンジョンに生息するモンスターは、私でも知っているくらいの有名どころが、ざっと数えても20種類以上は登場。行動パターンがそれぞれ独自に設定されており、種族の特徴も良く表していることから、各モンスターへの対処を組み立てて戦っていくという攻略面での面白さも十二分に楽しませてもらった。スタミナの要素があるために、攻防に緩急が出来るのも面白いと感じたところ。あと、地上を歩く敵に有効なトラップツールというアイテムが、罠にかかった敵は一撃で倒せるという要素がとても痛快。重量が重いのであまり多くは持ち歩けないが、巨大なトロールですら一撃で倒せるというのは愉快極まりない。罠にかかった敵は動きを止めるので、その容姿をじっくり観察するのにも役立ったが、手の込んだモデリングには感嘆するばかりであった。3つ目のダンジョンまでは両手武器を使用して戦っていたために、シールドバッシュの活躍の場面はあまり無かったが、これも使いこなせると一方的な攻撃ができて面白そうな要素ではある。
 ボス戦ではドラゴンのような大型の翼竜が生き生きと動き回り、その迫力は圧倒的。大きな手を振りかざし、口からはブレスを吐くなど、その巨体から繰り出される攻撃はもちろん高い攻撃力を誇り、ボスの威厳をこれでもかと味わう羽目になった。コーラス入りの音楽が流れるという演出も、常套手段ではあるが緊迫の度合いを一層高めてくれて、ボス戦での高揚感は半端でなかった。ただ、ラスボスが一番弱かったのが非常に残念。それまでのボス戦がどれも大迫力の戦闘だっただけに、最後がイベント戦的なのはどうにも締まらない気がした。
 ダンジョンの構造は複雑だが、クエストに応じて何らかの道標ができたり近道が用意されるので、クエストに集中できるのはとてもありがたかった。そして、どのダンジョンも構造や仕掛け、登場する敵の特徴が明確で、どれも新鮮な気持ちで探索できた。3つ目のダンジョンまでは人口の建造物で矩形の構造をしており、そろそろ慣れてきた頃に最後のダンジョンで曲がりくねった構造を出してきたところは流石。あと、ダンジョンの探索の大きな楽しみとなっていたのが、調度品が入手できる謎。リドルという表記にここでも正統派を貫いていることを感じさせるものがあり、どれもちょっと考えれば解ける程度の難易度に程よい手応えを楽しめた。
 ゲーム中の文章も、TRPGのリプレイのような独特の文体で、もの凄く雰囲気が出ていたのも好印象。登場人物も研究一筋な研究者や嫌味たらしい同業者など、癖のあるキャラの存在感が大きいのがまた魅力的であった。サブクエストについては依頼内容も個性的で、メインクエストそっちのけでまずはサブクエストからクリアしていこうと思わせる内容が多く、実際にそうしていた。クエストの内容は、特定の場所に行く、何かを集める、特定の敵を一定数倒すの3種類に大別できて、実際にはそれほど変化があるわけではないが、それでも前述の雰囲気づくりが上手かったので、どれもその気になって挑戦していた。あと、クエストの中にはクリア条件が複数あるものもあり、クリアするためには1回の探索で全てを達成しなければならない。これが中々の難易度で、やられたらまた最初からという目にも何度も遭遇。復活の羽根というその場で復活できるアイテムもあるが、折角の冒険のお膳立てを力押しでクリアするのは勿体無いと思い、そのアイテムは封印して最後までプレイした。
 ゲームを進める上で必要な知識は決して少なくないのだが、その知識を入手する手段は割と乏しいのが不満と感じたところ。特に、シールドバッシュについてはその存在が示されるのみで、発動条件についてはゲーム中での表記は無かったように思える(単に盾を出して敵に体当たりしても発動しないときがある)。あと、ロード時間の間に様々なヒントが表示されるのだが、SSDではロード時間が短くて満足に読むことが出来ないのも問題である。これにより情報面でかなりの不利を強いられていると思われる。この辺りの情報はどこかにまとめてもらえると非常に助かるのだが。

 一昨日と昨日の丸2日、この作品に完全に没頭していた。一日のプレイ時間は10時間を越えており、その熱中度合いはコミティアへの参加を取り止めるほど。この手の一人称視点の作品をプレイする頻度が少ないせいもあり、この作品での全ての体験がとても新鮮で驚きに満ちており、大きな魅力を放っていた。未だにゲームからこのような刺激が経験できて、本当にゲーマー冥利に尽きる。この作品のおかげで、とても有意義な連休となったことを心から感謝したい。
 これだけ面白い作品を当然1周で終わらせられるわけがない。1周目は無難にファイターでNORMALをプレイしたが、2周目は更なる刺激を求めてメイジでHARDに挑戦している。ファイターではヒールくらいしか出番が無かった魔法を積極的に使うことができてこれまた新鮮味が強く、そしてとても気持ちがよい。
 それにしても、スタッフロールの人数の少なさには唖然とした。総勢10名も居なくて、絵や音楽など外部への依頼を除くと3人である。これだけの規模の作品となると1人当たりの負担も莫大な量になりそうだが、少人数で小回りの効く体制が、この作品のように表現したいことを素直に表現できることに大きく貢献しているのかもしれない。
 ともあれ、素敵な作品をありがとうございました。


氷室 万寿 |MAIL
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