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2014年08月04日(月) 「STEEL STRIDER」のこと

 先週末にプレイしていた「STEEL STRIDER」(ASTRO PORT)の感想を。

 人類が宇宙に進出し、混乱期を脱した21世紀半ば。しかしながら、宇宙海賊や非合法の軍事組織といった脅威や、様々な紛争は依然として後を絶たなかった。そんな中、影で平和を支えていたのが、秘密組織「アルゴ運送」である。彼らは運送会社を隠れ蓑として、戦闘活動や物資の支援を行っていた。

 この作品は、2Dロボットアクション。プレイヤーはアルゴ運送に所属するパイロットとなり、小型MCR「ジェミニ」を操作して紛争や凶悪犯罪を解決するための任務に赴く。
 操作はキーボードやパッド+マウス。移動をキーボードもしくはパッドで行い、上方向に入力し続けるとホバーによる短時間の空中移動も可能。マウスは照準の移動で、左クリックが武器による射撃、右クリックがブレードによる近接攻撃、ホイールで武器の選択を行う。一応、パッドのみでもプレイ可能ではあるが、照準移動の自由度が著しく低下するため、ジェミニの能力を発揮することは困難となる。キーボードでは武器選択のショートカットも設定できるためか、キーボード+マウスの組み合わせが推奨されている。
 面構成は、各任務の大枠がエリアと称され、エリアはいくつかのステージにより構成される。ステージは一本道で途中に中ボスが何度か登場し、最終ステージの最後にいるボスを倒すとエリアクリアとなる。敵の攻撃を受けるとジェミニのHPが減少し、無くなるとゲームオーバー。なお、一発死の攻撃も存在し、地形の無い場所への落下でもゲームオーバーとなる。また、制限時間が0になるとHPが徐々に減少していく。
 ジェミニの武器はハンドガンが標準装備で、それ以外の武器はステルス転送されたものを拾って取得する。武器の種類はアサルトライフルやショットガンの実弾系からグレネードやロケットランチャー、誘導ミサイルといった榴弾系、果てはレーザーやレールガンまで多種多様で、近接武器のブレートと合わせて敵に応じた使い分けが攻略の要となる。なお、ハンドガンとブレードは使用制限は無いが、それ以外は弾数が存在する。

 やはり、マウス操作による攻撃方向の自由度の高さはとても快適。敵配置も挟み撃ちや不意打ちなどが多々あり、この自由度の高さが発揮できる調整となっているのが好印象であった。
 敵は基本的に数で攻めてくる上に、小型から大型までの機体の複合攻撃や、地上と空中からの同時攻撃の場面も多い。ここで不必要に武器を乱射したり高威力の武器で力押しするとボスで苦戦する羽目になるなど、武器の運用は慎重を期する。さらに、武器の切り替えには若干の時間を要するので、予め効果的な武器に切り替えてから敵に向かわないと反撃の機会を与えてしまう。最終的には敵と武器の配置を把握した後に計画的な運用をすることとなる。この辺りはパターン色が強く、個人的にやや窮屈さを感じた次第。とはいえ、全ての武器に使用場面が用意されているので、適切に運用すれば多彩な武器を使いこなす面白さを味わえることかと。
 また、今作は初見殺しが非常に多い。特に、崩れる足場の罠の頻度が高く、不安定な足場で戦わなければならない場面もそこかしこに出てくる。このためか、難易度もNORMALの時点で普通にアーケードゲーム並であるように感じられた。さらに、1つのエリアをクリアするのに15分程度かかり、それが4エリアあるのだから、通しでプレイすると1時間にもなる長丁場。セーブ機能が充実しているので、武器やHPの不足により詰まってもやり直しは容易ではあるものの、ノーコンティニュークリアは相当パターンを固める必要がある。

 ロボットアクションということで、自機も敵もボスも基本的にロボットであるが、「GIGANTIC ARMY」で見せてくれた多関節の動きをしっかりと引き継いでいるところはやはり大きな見所かと。敵のロボットも作業用ロボットを武装化させたものから純粋な兵器まで、対峙する組織に応じた容姿で統一している点も注目したい。画面を覆いつくすほどの巨体を持つボスとの一騎撃ちも、定番ではあるがやはり熱いものがあり、ロボットに対するこだわりが今作でも如実に感じられた。背景の細かい演出も健在で、演出への力の入れようは目を見張るものがある。
 また、ASTRO PORTの作品は全て同じ世界の上に成り立っているが、この作品は特に「GIGANTIC ARMY」と「SATAZIUS」の時代に近く(時系列的には「GIGANTIC ARMY」→「SATAZIUS」→「STEEL STRIDER」)、作中にこの2作の要素が度々登場する。サラディンとの戦闘や、トラファルガーの救出など、過去作をプレイしていた人なら驚嘆する場面が用意されているのも心憎い演出である。
 あと、コンシューマのアクションゲームに影響を受けたと思われる場面もいくつか見受けられた。道中に頻繁に中ボスを挿入する面構成は典型的なトレジャーアクションであるし、不安定な足場で巨大なボスに追いかけられる場面はメガドラ版「魂斗羅」で似たようなのを見た記憶がある。ラスボスの脱出の演出は「ヴァルケン」そのものという意見もあった。
 物語は、序盤こそ普通に正義の味方であったものの、話が進むにつれて単純な善悪対決の構図ではなくなっていき、悲劇的な結末を迎えるなど、ASTRO PORTの作品としては珍しく重い内容である。最後のナビの言葉は胸に刺さるものがあった。

 「GIGANTIC ARMY」で見せたロボットへのこだわりをしっかりと保ちながら、マウス操作による攻撃方向の自由度の高さでより柔軟な戦いを可能とし、多彩な武器により戦術の幅も広げている意欲作であった。

 と、いろいろ大層なことを書いておきながら、実はNORMALのノーコンティニュークリアすら諦めていたりする。最大の問題は、マウスでの武器選択。ホイールの上下で武器を選ぶことができるのだが、この感度が高くて繊細な操作が要求される上に、ホイールの上で右、下で左に選択される武器が変化するところが直感と逆なのである。そのせいで、武器選択にいつまでたっても慣れることができず、戸惑っては敵に滅多打ちにされる始末。もちろん、回数を繰り返せばそのうち慣れるとは思うが、その前に挑戦意欲が減退してしまったというのが正直なところ。ホイールの上下が設定できれば、もう少し続けられたかと思う。
 というわけで、NORMALをコンティニュー有りでクリアしたところでこの作品は一段落とさせていただく。


氷室 万寿 |MAIL
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