パラダイムチェンジ

2006年12月06日(水) NODA MAP「ロープ」

今回は演劇ネタ。観てきたのは、野田秀樹の「ロープ」。
公演2日目という事もあり、出来不出来とか、詳しい内容には触れずに
印象のみ箇条書きにすると。

・物語は、弱小プロレス団体を舞台にして、八百長と、暴力が暴走して
いく様を描いた作品。

・藤原竜也が、プロレスラー役で、四角く斜めに傾いたリングの中で、
トップロープにのぼったりと、縦横無尽の大活躍。
っていうか、役者ってやっぱりすごいわ。
あと、思ったより身長高かったのに驚いた。

・宮沢りえは、未来から来たコロボックルの役で、プロレスシーンの
実況中継も行なうんだけど、物語の終盤とか、ずーっと長くて、結構
口にするのもつらい台詞をそんなに噛まずに、言えてたのはすごいと
思った。
っていうか、今回のこの舞台のMVPって宮沢りえなんだろうな。

・野田秀樹と、渡辺えり子の夫婦役が最高。

・橋本じゅんがいい味出してた。
この人を見ると、アンタッチャブルの山崎を思い出すのは内緒だけど。
(今回は特に…)


・今回の舞台となる、四角いリングって、色々なもののメタファーだと
思うんだけど、自分が一番感じたのは、ああこれって、TV画面なのかも
なあ、ということ。
四角いリングの中では、血を見せることも、嘘や八百長も許される
というか。(プロレスが八百長だと言いたいのではなく、そこには、
ストーリーがあることが前提で編集されているのは、同じなのかも
しれないなあ、とか)

・今回、なんでそういう思いを強くしたかと言うと、数日前の、児童の
交通事故写真を小学校教師がWebサイトにのっけていた事についての、
TVニュースの扱い方に違和感を感じたからなのかもしれない。

あのニュースの扱い方って、Webサイトの画面にはモザイクをかけて
ぼやかしているけど、明らかに見る人の「実は見てみたいんじゃない?」
みたいな気分をあおっている気がして。
私はそういうのは見たくもないけれど、見たいという欲望に火をつけら
れた人は血眼でキャッシュとか、ミラーサイトとか捜しているんだろう
し。

・で、そこから飛躍すると、多分私たちにとって、TVの中の戦争って、
どこか遠い世界の話で、自分たちとは関係のない、娯楽にさえなりかね
ない、という事の悪趣味さ、気持ち悪さを、野田秀樹は強調したかった
んじゃないのかな。
バーチャルの中で済まされてしまう世界を、舞台という生の、体感の
世界に引き戻すことで、観客の肉体に訴えかけたかったというか。

・だから今回の舞台のテーマは、未来という名前の村から、「美しい国」
の住民に対する、たましいの叫びなんだろうなと思います。

・舞台のバックスクリーンには、何が書いてあるんだろうと思ってた
けど、あれは多分未来の村の人々の名前なんだろうなあ。

・でも、こういう?複雑な話を、1回ひねってプロレスの話に置き換えて
エンターテイメントとして舞台で表現できる、野田秀樹はやっぱり凄い
なあと思います。
観終わっての爽快感はさすがにないけれど、終わったあともしばらく
色々と考えさえられる、歯ごたえのある舞台作品でした。

・パンフによると、08年のNODA・MAPには中村勘三郎が出演?
(チケット取るの更に大変そう…)


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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