パラダイムチェンジ

2006年11月11日(土) ただ、君を愛してる

今回はちょっと前に見た映画ネタ。
見てきたのは、「ただ、君を愛してる」

この映画を一言で言うと、「泣けたけど、ちょっと複雑な気分」
である。

宮崎あおい、玉木宏主演の、大学時代の甘酸っぱい?片想いと純愛を
描いたこの映画。

いや、クライマックスでは泣いたんですよ。
最近、映画ではほとんど泣いたことのない、私までもが。
っていうか、予告編で見ている時から、おそらくこういう展開なんだ
ろうなあ、と思うように物語は展開していって、ここでこの展開だった
ら、そりゃあ、泣いちゃうでしょう、という所にクライマックスが
あって。

って、見てない人には何のことやらわからないと思いますが、興味を
持たれた方は、是非本編をご覧になっていただくとして。

で、そんな感動的な映画のどこら辺に、私が複雑な気分を感じたのか、
というと。
玉木宏演じる、主人公を取り巻く人間関係が、ありえなくない?
という点であり。

彼が天然ボケの心の優しい奴であり、そういう彼のことを、宮崎あおい
や、黒木メイサ演じるヒロインが、好きになるのは、そりゃあ、別に
構わないんですが。

でもさ、宮崎あおいはともかくとして、そんな煮え切らない態度の奴を
黒木メイサ演じる彼女が、ずーっと好きでいる、っていう方が、何だか
信じられないっていうか、モテない男の都合のいい願望の様な感じが
して。
4年間付き合って?キス数回って事はないんじゃないかと。
っていうか、そんな奴の事を好きでいた、黒木メイサの事が不憫で。
さっさと乗り換えちゃえばよかったのにね。

もちろん、それらの設定全てが、クライマックスを盛り上げるための
伏線であり、そもそも純愛映画って、普段ではありえない設定だから
こそ、盛り上がるんだと思うのですが、見ていて何となく、その辺が
感情移入できなかった感じなのかも。

と、いう私ではあるのですが、それなのにも関わらず、この映画で
思わず泣いてしまったのは、おそらくは、宮崎あおいの存在感にあった
んじゃないかと。

まあ、嘘つきで、人の人生かき乱すだけかき乱しておいて、いきなり
消えちゃうのかよ、とも思いますが、でもね、彼女の玉木宏を見つめる
視線(の演技力は)、この映画にとっては欠かせないものだったんじゃ
ないかなあ、と思うのでした。

で、映画を見た後、しばらくたった後に、なぜこのエントリーを書こう
かと思ったかというと、その映画の中のクライマックスで使われた、
宮崎あおい自身が撮った作品の写真展が、池袋パルコの7階でやっている
のを偶然通りかかって見たからなんですね。

よく、映画でかかった音楽を耳にすると、その映画の情景が思い浮かぶ
というのはあるけれど、映画の中のギャラリーよりずっと狭い展示
スペースに並べられた写真たちは、でもそれでも、映画の余韻というか
感触を再び思い出してくれたのでした。

この映画の中で一番好きだった写真は、映画の冒頭で、玉木宏が撮る
横断歩道を渡ろうとする、宮崎あおいの写真である。
(今回の写真展にはその写真はありませんでしたが)
写真って、やっぱりそのシャッターを下ろした人のその瞬間の気持ち
みたいな物を切り取ったりするんじゃないのかな、なんて思います。

改めて、写真っていいなあ、と感じさせてくれた映画&写真展でした。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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