パラダイムチェンジ

2003年08月01日(金) 「ターミネーター3」

毎月1日は映画サービスデー。
という事で、今回見に行った映画は「ターミネーター3」

今回は友達と一緒に見に行ったんだけど、待ち合わせが金曜の夜7時で、
しかも映画の日だったから、正直満員で入れないことも覚悟してたんだ
けど、入ってみたら意外とガラガラで拍子抜け。
友達は「シュワルツネッガー人気ねえなあ」とのたまっていた。

どうやら同じ時間帯に上映される「踊る大捜査線2」の方が混雑してた
らしい。

なので最後列の真ん中より、というベストポジションをきっちりキープ。


さて、この映画、いつもどおり一言で言うと「予想に反して面白かった」
である。

正直、予告編とか見ててもなんかパッとしねえなあ、と思ってたし、他の
レビューサイトの感想とか見ても、あんまり誉めた内容がなかったので、
正直、損を覚悟で見に行ったんだけど、なかなかどうして、ちゃんと
楽しめる映画になっていたのである。


この映画、ぶっちゃけて言えば、「偉大なるB級映画」であると思う。

総予算の20%?を主演のシュワちゃんがギャラとして持っていって
しまったせいかどうかはともかく、そのためか、他にパッと華やかな
スターはあまり登場しない。

せいぜい名の通った俳優は他には「ロミオとジュリエット」のクレア・
デーンズ位?。彼女にしても、メジャー映画?はこれがデビューみたい
なものらしいし。

T2で登場した、リンダ・ハミルトンと、エドワード・ファーロングも登場
せず、代わりにジョン・コナー役にニック・スタール。
これがまた、エドワード・ファーロングには似ても似つかない、B級映画
顔なんである(失礼)。

でも、第一作の「ターミネーター」の時に未来からやって来た戦士役の、
マイケル・ビーンにはよく似ている。
「エドワード・ファーロングが、息子役だった事自体が変だったんだよ」
と友達は言ってたけど。

まあ、ここでちょっと脱線すると、クレアデーンズの演じるヒロインは、
ジョンコナーと幼なじみで、エドワードファーロング時代のジョンコナー
が初キッスの相手で初恋の相手だったらしい。

さぞかし姿形が変わってがっかりしたろうな、というか、よく最初に
ジョンコナーだってわかったよな、といらないツッコミをついしたく
なったりとか。

で、今回敵役のT-X役のクリスタナ・ローケンも今回が初映画らしいし。


とまあ、キャストにはあんまり華のない(失礼)この映画。
でもストーリーはよく出来ていると思う。

これは脚本と、そしてこのシリーズの監督を、ジェームズ・キャメロン
から引き継いだ、ジョナサン・モストウの手腕による所が大きいと思う。


すなわち、「T2」でも時々登場した、機械に支配された未来社会の
イメージを、そのままうまく、この3作目に取り入れる事に成功して
いると思うのだ。

例えば、未来社会を飛び回っていた、飛行機とか、ロボットみたいな戦車
とか、はたまたその機械を支配する「スカイネット」であるとか。

これらは、このシリーズの第一作、第二作では、言葉や断片的な画でのみ
提示されていたと思うけど、今回はそれらにうまく肉付けすることに成功
していると思う。

例えば、T-Xが殺す相手を見つけるときに、ネットに直接つながって相手を
探したり、インターネットを脅かすウィルスが出てきたりとか。
T2の時代ではまだ実感できなかった、ネット社会の成熟を、うまく物語に
組み込んでいると思う。

その上で、モストウ自身は、新たなギミックの仕掛けを作るわけではなく
キャメロンの作ったギミックやビジュアルイメージをうまく利用している
と思うのだ。

新たな敵役、T-Xは、前回の敵、T-1000のイメージを継承しているが故に
正直前作ほどのインパクトはないけれど、パワーアップした感じが
ちゃんとしているし、そこに若い女性を持ってきたという意外性もあるし。

また映画の端々に、前作や前々作を彷彿とさせるシーンを織り込む事で
これが「ターミネーターシリーズ」だと言う事がわかる出来になっているし。

台詞でも「I'll be Back」をもじった「I'm Back」とか、「She'll be
back」とかあったりするし。
シュワちゃん自身もノリノリでやったに違いない、自身のパロディシーン
があったりして、思わず笑っちゃったし。

で、アクションシーンはもちろん、無駄な長さを感じさせない、飽きの
こないつくりになっているし。


なんつうのかな、職人監督にかかれば、B級映画もここまで作りこめて、
面白くなる、という感じかもしれない。


また、ここでは結末は書かないけど、予想を裏切って、思わずそう来たか
ーって展開だったし。
結末の知りたい方は、どうぞ劇場に足を運ぶか、ビデオが発売されたら
確認してみてくださいな。

結構時間を忘れて、のめりこむ事ができる映画でございました。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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