パラダイムチェンジ

2003年05月04日(日) 「オケピ!」

♪それがオ〜ケ〜ピ〜♪ それがオ〜ケ〜ピ〜♪
♪人生で〜起こることは〜♪すべてここでもお〜きる〜♪

と、いうわけで今回のネタは、三谷幸喜作演出のミュージカル、
「オケピ!」


と言っても舞台を見に行った訳ではなく、WOWOWの生中継を、
録画したのを見たわけである。
いや、よかったよ、マジでWOWOW入ってて。

さてこのミュージカル、一言で言えば、予想以上に面白かった、である。
全体的な流れでいえば、いつもの三谷幸喜スタイルの演劇を、ミュージ
カル仕立てにした内容。

三谷幸喜の演劇を見たことない人でも、最近までやっていた、「HR」
や、映画「ラジオの時間」あたりを見て、面白いと思った人なら、
きっと面白いと思うはずである。
ちょっと待ってよ、でもミュージカルでしょ?それって一体どうなのよ?
と、思ってしまう人でも、多分大丈夫なんじゃないかな。

さて個人的にミュージカルは、そんなに手放しで大好きな訳ではない。
ある一定の条件がないと、なかなかこのミュージカル面白い、とは思わ
なかったりする。

その条件とは、
1)曲がいい。
2)歌がいい。
3)キャストがいい。
の3つである。

でね、おそらく自分を含めた日本のミュージカルが苦手な人たちって、
1)の曲がどんなによかったとしても、おそらくは2)の歌の段階で
ダメ、って人が多いんじゃないかなあ、と思うのだ。

つまり、それがどんなにいい曲だったとしても、英語ならまだしも、日
本語で歌っているのって、なんかマヌケだよね、って気がしちゃうと、
途端に退いちゃう気がしたりとか。

今回の、「オケピ!」の場合、そこをどうクリアしているかというと、
10割ではなく、3割打者を目指すことで、クリアしているような気が
するのだ。

つまりどういうことかというと、全部が全部、感動的な曲にはできるわ
けじゃないから、逆にマヌケな、というかギャグ狙いの歌詞を混ぜる事
で、日本語の歌詞ってマヌケなんだよなあ、というお客側の思い込みを
うまく利用しているのかもしれない。

でも、冒頭に紹介した歌詞のように、おちゃらけてはいるんだけど、
曲とあいまって耳から離れなくて、ついつい口ずさみたくなってしまう
歌が多いんである。
♪気〜になって〜気になって〜♪の歌とかね。

その代わり、本域でいい曲は無茶苦茶いい曲に聞こえるような演出に
なっているというか、そのメリハリがあるから、名曲が名曲として、
より心に響いてくるような気がする。

そして、それはキャストにも見事に現れている。
オーボエ奏者の布施明の役って、物語上はそんなに重要な役ではないん
だけど、1幕の終盤、彼が歌い上げるところから、劇の雰囲気がこう、
盛り上がっていくような気がするのだ。

やっぱり歌がうまい人っていいよね〜って感じでなぜかちょっと得をし
た気がするのは何でなんだろう。

また今回のヒロイン役、天海祐希も、元宝塚トップスターの実力をここ
ぞ、と言うくらいに見せてくれるのが気持ちいい。
やっぱり天海祐希は素敵だなあ、なんて思ってしまうのである。
2幕のソロとか、泣いてたし。

そしてそれは他のキャストについても同じ。
白井晃、戸田恵子、小日向文成、温水洋一、瀬戸カトリーヌ、そして、
相島一之、小林隆の三谷演劇常連陣に加えて、寺脇康文、川平慈英、
小橋賢児と、いずれもTVなどでおなじみかつ、演劇経験の豊富な役者
さんたちが出ている舞台ってのは、ある意味幕の内弁当のように贅沢だ
よなあ、と思うのである。

ついでに欲を言ってしまえば、この作品を、英語に翻訳して、オフブロ
ードウェイあたりでやらないかなあ、なんて思うんだけど。
意外に通用すると言うか、うけるんじゃないかな。

DVD、もし出たらその時お金に余裕があったら買っちゃうかも。


さて、ここから先は余談。
ふと気がつくと最近、妙にミュージカルづいているような気がする。
去年は、「フォッシー」「ライオンキング」と2本見に行ってるし、
映画では「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」見てるし、
今年に入ってからは、映画「シカゴ」を見ているし。
しかも今年は鴻上尚史も、ミュージカル演出を手がけるらしいので、
多分見に行くんだろうし。
まだ見ていなかった「ムーランルージュ」も、今度WOWOWでやる
みたいだし。

俺ってもしかして、実はそんなにミュージカルって嫌いじゃなくて、
ただ単に食わず嫌いだっただけなのか?もしかして。
そういえば昔映画「コーラスライン」にめちゃくちゃ感動してたし。
まあ、もちろんそれが面白ければ、ミュージカルだろうと何だろうと
構わないって事ではあるんだけど。


 < 過去  INDEX  未来 >


harry [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加