パラダイムチェンジ

2002年08月04日(日) ピンポン

ペコはヒーローって信じる?

映画ピンポンを見に行ってきました。公開になってから、一週間
以上経ったのに、未だに劇場が混んでいる映画です。
行ってきた映画館は、テアトル新宿。
とりあえず、始まる時間の数時間前に整理券をもらわないと、
立ち見どころか、劇場に入れません。

4時に映画館に行って、夜の9時20分からのレイトショーの
整理券をもらい、開始30分前に映画館にもどってみると、
入り口付近はもうすでに行列。

30番という比較的早めの番号だったんで、楽々いい場所を確保
することができましたが、200席くらいの小さな劇場なので、
整理券の最後の方の人はどうやら立ち見をしていた様子。

映画「ピンポン」は、漫画家、松本大洋の原作を映画化した
作品で、卓球青春映画といった感じでしょうか?

この映画、はっきり言って面白いです。
全5巻からなる原作のエピソードを再構成し、濃縮することに
成功した脚本と、現代の魔法、CGを使うことによって可能に
なった、原作のテイストを感じさせる画づくり。

そして卓球のシーンで、あたかもシンクロし一層のドライブ感
を感じさせてくれるテクノのBGMの気持ちよさ。

特に画づくりに関しては、原作そのままではなくても、
アングルなど、松本大洋的な画面づくりを心がけています。

この映画、監督が以前、映画タイタニックでも、CG参加していた
事が話題にのぼるように、例えば卓球の大会のシーンなどで
CGが多用されている事に、話題が集中した感じがありますが、
個人的には、原作のテイストそのままに映像化していることの
方を評価したい感じです。

そしてその画面の中で、主人公のペコ役の窪塚洋介をはじめと
して、個性的な役者さん達がのびのびと、所狭しとかけずり
まわり、原作のキャラクターに命を与えてくれています。

個人的に気にいった役者さんは、アクマ役の大倉孝二、ドラゴン役
の中村獅童。大倉さんは舞台で見ていてもうまい役者さんですが、
この二人のトイレのシーンは、それだけで一つの舞台をみてる
ようにいいシーンでした。

そしてある意味原作以上の活躍をする、竹中直人、夏木マリ。
夏木マリは、原作とはイメージが全然違うのに、しっくり来るのが
とても不思議。
そしてなにより、この映画の助演男優賞は、部長役のお兄ちゃん
でしょう。いやあ、笑わせてもらいました。

あなたのそばに、かつてヒーローはいましたか?
ある意味ライバルだけど、いくらやってもなかなか勝てない、
ある意味、あこがれの存在。

もしもあなたに才能があれば、彼に近付くことはできるかも
しれません。でも、もしも才能がないと気づかされてしまったら。
あこがれの存在の人が、自分とは違う人を認めてしまったら。

そして近付いてしまう事で、自分のヒーローを見失ってしまったら

そして逆の立場で、誰かに憧れられていることが、いつの間にか
無言のプレッシャーになって、気がつかないうちに逃げていた、
なんて事はありませんか?

また最初は好きで始めて、そして幸運にも成功をおさめたとして、
その好きだった最初の気持ちを、いつの間にか忘れてしまって、
どこか苦痛になっていたりすること、ありませんか。

もしも、あなたがその最初の好きだった時の気持ちを思い出す
ことができたなら。
あなたはもう一つ高いところを飛べるかもしれません。

この映画を見て、昔の友達のことを、そして大した意味もなく
没頭していた頃のことを思い出しました。
身近なライバルが親友だった頃。あつはなつかった気がします。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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