パラダイムチェンジ

2002年07月12日(金) エピソード1が面白かった理由。

エピソード2公開直前と言うこともあって、TVで
スターウォーズエピソード1を放映していた。

スターウォーズは、昔のシリーズは大好きだったのだが、
エピソード1を見るのはこれが初めてだったりする。
で、これが意外な?事に面白かったのだ。

公開当時に見た友達から、あんまり面白くないよ、と聞かされて
いたせいで、全然期待していなかったせいかもしれない。

スターウォーズの魅力、それはSFXというギミック性と、
壮大なストーリーの融合、という言い方も出来るかもしれない。

おそらく、エピソード1があまり面白くなかった人っていうのは、
物語の部分について、物足りなさを感じたか、あるいは期待の方が
上回ってしまっていたような気がするのだ。

ある意味、最初に公開された、エピソード4と同じストーリーの
ような気がするのが、それを追い打ちしているというか。

だが、個人的には、スターウォーズシリーズの魅力って、むしろ、
ギミックの方にあるような気がする。
これは、この春にロード・オブ・ザ・リングを見たから、尚更
そう思うのかもしれない。

ストーリーの魅力、という意味では、スターウォーズは、ジョージ
ルーカスが、どんなに逆立ちしたって、そのオリジナル性っていう
事も含めて、トールキンの「指輪物語」には、かなわない。

でも、映画作品、そしてその画をつくることができた、監督の
才能という意味では、エピソード1は、ロード・オブ・ザ・リング
に勝っているような気がする。

現在の映画産業では、SFXや、CGの発達で、監督が再現しよう
と思って、不可能な事はほぼなくなったように思える。
その事が、最近のファンタジー映画ブームを支えているのも事実
だろう。

だが、監督の頭の中にある画が、ほぼ実現可能になったという事は
その監督自身の画づくりの力量をも浮き彫りにしてしまう気が
するのだ。

いくら、最新のCGで、モンスターや、フィールドを描いたと
しても、ただ単にそれらを配置しただけでは、陳腐な画にしか
ならない。

それは例えば、今まで一アニメーターとして画づくりにこだわって
きた、宮崎駿の飛行シーンが独特であるように、今まで
ずーっとSFXにこだわってきた、ジョージルーカスの才能が
あって初めて納得する画づくりになっていると思うのだ。

これは、前回のシリーズ、エピソード4〜6と比べてみると
よくわかる。ストーリーとしての面白さは、もしかすると、
ルーク・スカイウォーカーが主役だった前作の方が面白かった
かもしれない。

でも、CG等、再編集された特別編をあらためて見てみると、
悲しいかな、SFXの、稚拙さの方が目立ってしまう。
昔に見たときの感動は、自分の中でイメージの補完をしていたのが
わかってしまうのだ。

その意味では、監督、ジョージルーカスはエピソード1で初めて
自分の意図する画をつくり出すことに成功したのかもしれない。

だがしかし、もしも世界観という意味で、ジョージルーカスの
意図しているものが本当に完成してしまったとしたら?
この先、画づくりという意味で、更なるギミックの進化は
果たして可能なのだろうか?

だから今日から公開されるエピソード2が果たしてどうなって
いるのか、自分のなかでは、期待と不安が入り交じってしまう。
レビューサイトなどの感想では、概ね好評のようだが、
果たして、ジョージルーカスの光の魔法は、自分の期待を
いい意味で裏切ってくれるのだろうか。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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