パラダイムチェンジ

2002年07月01日(月) 祭りのあと

そんなわけで、W杯が終わってしまった。
さぞかしふぬけた状態になるかと思えばさにあらず、意外と
飄々としている自分に気がつく。

まあ、そこら辺がにわかサッカーファン、ってところなのかも
しれないが。
準決勝からあとは、そんなに集中して見てなかった気もするし。
おそらくは、夜な夜な録画していた試合なんぞを時々振り返って
余韻をかみしめているような気もする。

やっぱりするめのように、1回咬んで飲み下してしまうのは、
なんかもったいないような気がするので。

決勝戦のドイツ対ブラジルは、そういうわけでそんなに集中しては
見ていなかった。
ぼーっと見てしまうと、そんなに感動はせまってこないなあ、と
思いつつも、ブラジルもドイツも、さすがに疲れているのか、
動きが重いような気がしながら見ていた。

ただ、試合展開自体は、ブラジル、ドイツとも攻守の切り替えが
早かったので、まるで両サイドに打ちよせる波のような感じで、
目はなかなか離せなかった。

ドイツのGK、カーンは再三に渡って好セーブを連発していた。
結局はリバウドのシュートをはじいた所をロナウドに詰められ、
得点を許してしまい、その後もリバウドの絶妙のスルーの後の
ロナウドの速いシュートに対応出来なかった。
が、それはブラジルの多彩な攻撃を賞賛すべきなんだと思う。

逆に言えば、ドイツの固い最終ラインが、ここまで突破された
のは、今大会でははじめてで、結果として文字通り、
カーン対3Rの闘いに引きずり込まれてしまったのが、本当の
意味での敗因なのかもしれない。

逆にブラジルの最終ラインはよく機能して、ドイツの選手に
決定的チャンスをなかなか許さなかったし、GKもよくセーブ
していた。
ドイツにとっては、これまでいいところでチャンスを活かして
きた、バラックの欠場がやはり大きかったのかもしれない。

ドイツの組織対ブラジルの個人技、という言い方が多かったが、
もしかすると、カーンの個人技対ブラジルの組織的なDFという
言い方も出来たのかも。

試合終了後、カーンはしばらくゴールポストから離れなかったが
もしかすると自分の得点されたシーンを記憶に刻みつけていた
ような印象を受けた。
それはまるで、もしも同じシチュエーションに持ち込まれても
今度は得点させないと決意しているようでもあった。

今度カーンを見ることが出来るのは果たしていつの事だろうか。


さて、W杯が終わったとたん、様々なメディアでW杯の総括が
行なわれていた。
ただ、終わった直後に見ていても、あんまり感動がわいて
こないのは何故なんだろう?

あらたな感動を生むにしては、繰り返し同じ映像を見続けて
いたからなのか、それともほとんどの番組の切り口が似たような
ものであったからなのか。

もしも今年が終わったとして、一体どれくらいの人が、このW杯
の盛り上がりを実感できるのだろうか?
年末の特番あたりで流れる映像に、臨場感を得られるんだろう?
ふと、そんな気持ちが心をよぎった。

もしかすると、私たちにとってのW杯とは、試合だけではなく、
例えば道頓堀に飛び込んだ思い出とか、キャンプ地の人たちに
とっては遠くからバスを眺めた記憶とか、そういう所に残って
いくものなのかもしれない。

ただ一つ、最後にメディアの報道で気になる部分があった。

「W杯が終わった後、果たして国民はJリーグに対して興味を
持っていくんでしょうかね?」

様々な番組で司会者が、サッカー解説者に聞いていたこの言葉。
だから、Jリーグはダメなんだ、という結論が先にある、
予定調和な意見なんじゃないだろうか?

もしも、本気でそう思って日本のサッカーの将来を心配する
のだったら、もう少しTVでサッカーの中継をしてほしいと
思うのだが。
生中継でなくても、深夜の録画でもいいから、せめて週一くらい
どこかで試合を流さないのかなあ。

もしも、本気でW杯で日本が強くなろうとするならば、
もう少しサッカーが日本に根付くことが必要なんだと思うから。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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