掛川奮闘記

2007年03月06日(火) 070306_北海道を救う「内的起業家精神」教育

 一日気温が低くて寒い一日でした。昨日の雨で道路の氷は随分融けたものの、今度はそれらがかちかちに凍っていました。

【知業時代の教育のあり方】
 ひさびさの教育ネタ。

 今日はセミナーで、北海道東海大学教授の川崎一彦先生からフィンランドなど北欧の教育についてのお話を伺いました。これがなかなか考えさせられるものでした。

 川崎先生は、1988年までの15年間をスウェーデンのストックホルムで過ごし、その後札幌の東海大学で学生の指導に当たられている方です。

 主な関心分野は日本と北欧の企業経営の比較であり、最近は初等中等教育における『起業家精神教育』の実践研究を行われているのです。そして今日のお話の主題は「この企業家精神教育こそがこれからの北海道と日本を救う」ということでした。

 バブル崩壊以降、日本の経済は低迷を続け、特に北海道はおいてきぼりにされている感が強いのですが、その間にも中国や東アジア諸国は台頭を続け、日本は行く先を見失いかけているようにも見えます。

 川崎先生は、いまさら製造業大国として中国に勝ったとしても、時給700円はもらえない、これまでの日本の教育は製造業・工業立国のための人間を育成する教育だったが、これからの時代は知業や情報、文化、創造力の時代に突入して行くのだから、それに見合った教育が行われなくてはならない、とおっしゃいます。

 そして、それをいち早く取り入れたのが北欧の国々であり、その結果はスウェーデン、フィンランド、ノルウェーなどが経済でも高い評価を受け、時代をリードする世界企業がぞくぞくと登場することでそれを裏付けています。

 フィンランドには、世界一の携帯電話メーカーであるノキアがあり、スウェーデンには自動車のボルボ、携帯電話インフラのエリクソンなどがあるのです。これらが、人口わずか1千万人たらずの国から誕生しているのです。

    *   *   *   * 

 フィンランドでは1980年代から、起業家精神を内的と外的に分けられるようになり、外的起業家精神は「独自のビジネスをスタートさせ、経営する」といういわゆる一般的な起業家精神と同じ意味を与えています。

 そしてこれに対して「内的起業家精神」というものに着目をしました。 

 ここで言う「内的起業家精神」というのは、外的起業家精神の前提となるもので、具体的には創造性、柔軟性、活動、勇気、イニシャチブとリスク管理、方向性、協調性、達成にいたるモチベーションなどを意味しています。

 内的起業家精神に富む子供というのは、創造的で勇気があり、協調的で責任感あふれ、根気強い。自信があって他の子供ともうまくやっていける子供だということです。

 フィンランドでは国を挙げて、実際にビジネスを行うかどうかと言うことに関わりなく、このような内的起業家精神こそが21世紀の全国民に必要な資質と位置づけられて、その育成教育は就学前から始めるべきというコンセンサスができあがっているといいます。

 このモデルとなったのがフィンランドのバーサ市ではじめられたバーサモデルと呼ばれるもので、ここで強調されているのは「from teaching to
learning(教える教育から学ぶ教育へ)」ということであり「内容よりも方法」ということなのだそうです。

 極めて示唆に富む内容です。これまでの知識偏重型教育からは得られない、創造的人間に至る教育を既に北欧では行っていて、それが効果をあげているのです。

 北海道でもここ2年間、各地で実験的に行ったところ生徒には大評判とか。

 しかし親の側にはまだ受験信仰があって、なかなかこうしたことを受け入れられないのだとも言います。

 初等教育から北海道を変えるというのは時間がかかりそうですが、道内全域の理解が必要です。

 北欧の教育を勉強したくなりました。


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こままさ