| 2006年05月24日(水) |
060524_便利と自己責任 |
今日は爽やかな晴天ですが気温はあまり上がりません。涼しいと言うよりは暖かくならないなあ、という印象です。 そろそろライラックの花が咲いてきました。 【情報社会】 道内の地方部にいる後輩のA君が訪ねてきて四方山話になり、このブログで何度も紹介している「逝きし世の面影」の本の話になりました。
実は私にこの本を紹介してくれたのはこのA君なのですが、彼自身がこの本を知ったのもごく最近の事なのでした。
もう3ヶ月ほども前の事で、札幌に川勝平太先生をお招きしてシンポジウムを行ったときのことです。川勝先生が控え室に戻ろうとして非常階段を降りたところで目的階のドアを開けようとしたところ開かないで困っていたところに同じ階段で通りかかったのがA君だったのだそうです。
そこで非常電話で従業員の方を呼んで開けてもらう事にして、それまでの数分の間に川勝先生から紹介をされたのがこの渡辺京二さんの「逝きし世の面影」だったのだそうです。
「あのときに階段で降りて、まごまごしている川勝先生と会わなければこの本など一生知る事がなかったと思います」とはA君の弁。 「そうするとあなたから僕が教えてもらう事もなかったんだよね。不思議な縁もあるものだけれど、そういう運命にあったと理解しますよ」
人間どこにどんな縁が転がっているのか分かりませんが、その一瞬の出会いを運命と感じてその世界に飛び込むのかどうかで、いろいろな事が変わりそうです。要はそういう生き方を危なっかしいと思って嫌うか、面白い事になりそうだと思って好むか、という性向の問題なのかもしれませんが。
みなさんはどちらですか。
* * * *
さて、この本を私はその後駅前の大型書店に注文したのですが、手元に届くまでには2週間を要したのでした。 「A君はどうやって注文したの?」 「私はインターネットのアマゾン・ドット・コムで注文しましたけど、3日後くらいにはもう届いていましたよ」
「すごく早いね。でも送料が高くつくのではないですか」 「それが一定の金額以上を購入すると送料はタダということなんですよ。田舎の書店が潰れるわけですね」
「なるほど」 「アマゾン・ドット・コムがすごいと思うのは、そうやって本を注文し続けて行くと、僕がどんな本を好むのか、ということを察知して、そんな興味を引く分野で新しい本が出たりするとメールで進めてくれるんですよ」 「それこそ個人情報の最たるものかも知れないよ」
「確かにそうかもしれません。でも数多ある本の数々の中から興味を引く本を探すのに時間をかけるのなら、そういうお節介をしてくれる事も便利なサービスかも知れないな、と思い始めていますよ」 「なるほどなあ、個人情報はサービス合戦のためのまさに宝の山なんだね」
彼のような考え方が出来れば、自分にはこのような趣味の傾向があるとか興味を持つ分野などを知ってもらう事は良いサービスを勧めてもらえる条件を提示しているということになるのかもしれません。
個人情報の漏洩をただ恐れているばかりではなく、自分で許せる範囲までを責任を持って開示する事でより便利なサービスに繋がるのだ、という現実を受け止める事が出来るかどうかはまさに自己責任の範囲なのでしょう。
社会の中で生きるときの事故責任を生涯学習で真面目に考えたいものです。便利な社会を生きる自己責任とは何なのでしょうか。
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