| 2003年07月08日(火) |
030708_合併への覚悟 |
【岐路に立つフィルムコミッション…?】 NHKテレビで、「岐路に立つフィルムコミッション」という特集が放映されていた。
フィルムコミッションとは、映画やコマーシャル映像などのロケハンに適する場所を紹介して、少しでも多くの撮影隊に、地域へ入り込んでもらおうという取り組みである。
実際、現在伊豆地方では多くの映画やコマーシャルなどの映像撮影需要があって、撮影場所や風景の紹介を、NPOとして行っているというのである。
ところが、需要が多くて仕事が多いのは良いのだが、それに対する報酬は県からの年間250万円の補助がほとんどだという。これではまともな大人が職業にするにはほど遠い額と言わねばなるまい。
しかも、撮影場所を紹介する先の映像会社や映画会社には報酬を請求してはならないという制度になっていて、その理由としては「対価をもらうと、より多くの報酬を支払ってくれる相手を優先しがちになるから」ということなのだそうである。
特集の中では、そのことに従事する方は結局定職を捨てて、パート労働の傍らでこの業務を続けているのだそうである。伊豆地方では、これらの映像関係者が落とすお金が年間で1億円ほどになっているそうで、それなりの経済効果があると紹介されていた。
本人へのインタビューでは「辛いなあ、と思うときもありますけど…」というコメントが紹介されていたが、これではまともな仕事とは言えず、無理がたたっている状況なのは明らかである。
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そんな番組をうすぼんやりと見た後で、別件で知人のSさんと電話でお話。
「最近どうですか?」 「ちょっとフィルムコミッションの手伝いをしてます」
「フィルムコミッションと言えば、今夜のテレビ番組で、『岐路に立つフィルムコミッション』とか言う題で、仕事の大変さと報酬が報われないという特集をしていましたよ」 「その人は、私も手伝っている人なんですけどね」
「あれ、そうですか」 「相手にお金を請求しないって言うから、『そんなバカなことはない』って言ったんですよ」
「なんで?」 「だって、制作会社の方はロケハンのための費用をちゃんと見込んで仕事をしているんですから、予算だってある程度はあるわけですよ。その方が場所を紹介しなければ自分たちでお金と人手をかけてやらなくちゃならないわけですからね」
「そりゃそうだ」 「そこでフィルムコミッションだ、ということでただで紹介してあげたところで、制作会社の方はこれ幸いとばかり、浮いたお金でどうせ飲んじゃうくらいなものですよ。そんなところのお金をもらっちゃいけないなんているのは、全くばかばかしい話ですよ、まったく」
なるほど、もっともな話である。
犠牲的な精神で物事が進んでいるうちはそれはそれで美しいけれど、早晩それではもたなくなることが明らかである。制度の根幹からもう一度考えを改めることが必要かも知れないね。
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以前にも書いたが、正当な働きに対して正当な報酬で報いる、というのは報徳思想そのものである。
無理なボランティアは早晩続かなくなる。これを正当な報酬を受け取ることで感謝の気持ちを持ってまた次の仕事の糧とするという考えのどこがいけないというのだろうか。
会社から一円ももらわないというのではなくて、一社あたり幾ら、という風に固定料金で決めて紹介をするという手だってあるのであるから、関係者にはもっと柔軟に考えてもらいたい。
もし伊豆でやらないのなら、わが市では経済特区でやるかもしれんよ(^ー゚)b
【議員の在任特例はムダか?】 議会の合併問題特別委員会で、合併議論の今日的話題に関して意見交換をする。
議論の中で、次回の合併の30人委員会で協議される話題として、合併の日時が話題となる。
合併の期日を、わが市としていつにすべきか、という問題なのだが、これがなかなか良い意見が出ない。
議論のポイントは、合併する相手の町が平成17年の1月末に議会の任期がきてしまうために、合併の期日を17年3月とすれば、わずか残り2ヶ月のために選挙をするのか、ということになることである。
それはある意味、17年3月に合併を果たしたときには、一市二町の議員も全て解散して選挙をするということを前提としているからである。
解散して選挙を行うのであれば、二ヶ月の議員任期のために選挙をするのはもったいないから選挙前に合併の時期を早めて、17年1月としてはどうか、という意見が出る。
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ここで問題をさらに複雑にするのは、議員の定数や議員の身分に関する特例措置を使うかどうかという問題に答えが出ていないからである。
議員の特例には二通りあって、一つは「在任特例」で、合併前の議員全員がそのまま最大2年間残れるという方法で、2年間の間に新しい定数で選挙を行うこととなる。
もう一つは「定数特例」で、合併して議会を解散するに当たって最初の選挙に限って、最大で法定定数の二倍までの議員数による選挙を行うことができるというものである。
これらは、議員の身分を保障するという風にも取れるが、もう一つの重大な側面は、住民の声を反映させる議員の数の激変を緩和するという意味もある。
ちなみに、掛川の場合人口8万2千人で議員の数は24人、単純人口割りで言えば約3400人に一人の議員数である。
これが合併する人口22千人の大東町であれば、現在16人の議員数に対して、3400人で割ると6.5人となる。
また人口12千人の大須賀町では、現在の14人から3.5人となるのである。
14人が3人になるということで目の行き届く政治ができるのか、という疑問が当然生じる。
人口12万人の市であれば法定定数は34人だから、24+6.5+3.5=34人となり、一見つじつまはあうが、これで本当によいのだろうか。
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しかしこれは本来わが市が心配するべき問題ではなくて、議員数が大きく減る町の問題なので、合併する町の首長さんに機会を見つけて、「そんなに議員数が激減しますが、大丈夫でしょうか」という質問をぶつけてみた。
すると答えは「そんな、特例をつかうなどということは県民感情から言えば、許されないのじゃないの?」というあっさりとしたもの。あまり悩みもない。
「しかし、地域代表となる議員の絞り込みや、票集めに失敗したりすれば、下手をすると地域からの議員がゼロと言うことにもなりかねないのでは?」 「それも選挙さ。そうなったら改めて地域も考えるのじゃないの?そんなことを心配していては、新しい町はできんさ」
「それも民意というわけですか?」 「そう、その通り。いろんなことを変えるときなんじゃないの?あなたの方が、小さな町の助役みたいだね(^。^)」
そこまで言われると返す言葉がない。そもそも議員が地元代表だとか、地域代表だとか言っていること自体が田舎選挙と言われても仕方のない側面なのだが、実態はどうしてもそのような側面を強く持ってしまうのもまた人情というわけである。
しかし小さな町があえて、そこまで覚悟した意見持っていると言うことは立派だなあ、と思う。
もちろん、まだ正式な協議会の場で出された結論というわけではないが、「特例など使わずに、絞り込んだ形に一気に持って行きたい」という考えを持つ首長さんがいるというのは立派なものである。
正式な議論の場での意見交換を楽しみにしたいものだ。
【市長アメリカへ】 市長が明日からアメリカへ旅立って、ユージンのオレゴン農場などを視察してくる予定である。週末まで何事もないことを祈る限りである。
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