□■ あたしのお教室 ■□
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はい。こんにちは。
弟くんからはメールが1通きただけで、その後音沙汰なし。 どうしているんだろう、と心配はしつつも、今はまだ一緒に行った仲間がいるので、安心はしているのだが。。。
昼前に郵便局に行ったら、昔教えた生徒ちゃん「ヒカル」のご両親がいた。
「うわ〜。おひさしぶり〜。」 「せんせー!!」
いつも出会ったら20分ほど話し込んでしまう。
弟くんとの成田でのお別れの話をしたら、おかーさん、涙がほろり。
「せんせ、寂しかったやろ。小さいのに、よく出したね。 親は心配しかできへんさかいに。 でもね、きっと何か掴んで帰ってくるさかいに。」 「うん、ありがとうございます。 もうね、元気で帰ってきてくれたら、それでいいんやわ、あたし。」 「そやそや。。 でもな、せんせとこの悩みなんて、大したことないって。 うちのヒカル、とうとう進学せんて言い出した。」 「そうなん?勿体無いね。数学は学年でトップでしょーが?」 「ガソリンスタンドの面接うけたんや。 それがすごい人数でね。せんせ。 厳しい面接やったわ。」 「で、どうやったんですか?」 「まぁ、合格したんやけど。 お前、その髭はなんや、って言われて、親がゆうても学校の先生がゆうても剃らんかったのに、職場の人に言われたらすぐ剃りよったわ。 社会の厳しさをひしひし感じたらしいで。 まぁ、それも良いわね、せんせ。」 「そうかぁ。ヒカルくんはもう立派な稼ぎ人やね。」
ヒカルくんは、高校をやめたMくんと同学年でうちの兄くんといっしょにお教室で勉強した仲間だ。 みんなで競って数学といていた時代もあった。 あの頃は、みんな同じ中学生で、将来に何の悩みもなく、面白可笑しく毎日を過ごしていたんだ。
そんな子供たちがそろそろ社会にでようとしている。
「せんせ、親がどうこう言っても聞きませんからね。 好きなようにさせますわ。 後悔のないようにだけして欲しいと思ってます。」
「そうですね。先の読めないご時世ですからね。 せめて、好きなことをさせてやりたいですよね。」
「せんせ、閉じこもっていたらあかんよ。 あたしらもそう思って夫婦で出歩いとるのよ。」
ダンナさまは車椅子、奥さんもお体に障害をもっておられるのに、底抜けの笑顔であたしを励ましてくれるのがうれしくって。
ほっこりして帰宅しましたぞ。
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